"消えた妻と青いマグカップ" 第4話
美も曜の休みを取っていた。
は事に計画していた。
そう考えるのが、
番自然だった。
*
夕方、
健は美の寝をもう度見た。
着。
普段着。
仕事用の。
ほとんど残っている。
だが、
歯ブラシの予備が本ない。
さな化粧ポーチも見当たらない。
たった泊か泊。
その程度の準備。
だからこそ、
余計に苦しかった。
本当にを捨てたなら、
もっと荷物を持つはずだった。
では、
はどこかへ泊して、
そのあと帰るつもりだった?
何をするために?
*
夜。
健はで卓に座っていた。
の結婚活で、
美を疑ったことは度もなかった。
浮気。
婚。
別の男。
そんな言葉が、
自分たちに関係するとはっていなかった。
携帯話をに取った。
美へ話する。
源は切れたまま。
藤田へ話する。
こちらも同じ。
健は留守番話に、
い言葉だけ残した。
「誠司」
しを置いた。
「美が緒にいるんだろ」
もう度、
息を吸った。
「頼むから話してくれ」
*
翌朝。
妻が消えてから、
くが過ぎようとしていた。
健はほとんど眠れなかった。
午分。
携帯話が鳴った。
警察署からだった。
「さん」
刑事の声が、
いつもよりしかった。
「藤田誠司さんが来ました」
健はちがった。
「美は?」
話の向こうが、
瞬黙った。
「藤田さんは、です」
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警察署へ着いた、
藤田は取調ではなく、
さな面談にいた。
健がドアをけた。
藤田はちがった。
同じ顔だった。
以見てきた顔。
し無精ひげが伸び、
目のに疲れがある。
それだけだった。
「先輩」
その言で、
健は藤田の胸ぐらを掴んだ。
「美はどこだ」
刑事がすぐに入った。
「さん、やめてください」
「どこだ!」
藤田は抵抗しなかった。
健のを見ながら、
静かに言った。
「無事です」
「だったら連れてこい」
「できません」
健のに力が入った。
「何でだ」
「本がそう言ってます」
*
刑事に引きされ、
は向かいって座った。
健は藤田を睨んだ。
「曜の夜、美を乗せたな」
「はい」
否定しなかった。
「どこへった」
藤田は黙った。
「答えろ」
「今は言えません」
「お……」
健が再びちがろうとした。
刑事が制した。
「藤田さん」
刑事が言った。
「美さん本の全確認が必です。居所を隠すだけでは済みません」
「分かっています」
「では」
藤田はし迷ったあと、
「本から連絡するはずです」
と答えた。
「いつ?」
「今に」
「あなたはどこまで緒にいたんですか」
「昨の昼頃までです」
「そのは?」
「にしてほしいと言われました」
健は笑った。
く、
乾いた笑いだった。
「にした?」
藤田を見た。
「の妻を連れして?」
「違います」
「何が違う」
「連れしたんじゃありません」
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「じゃあ何だよ」
藤田は健を見た。
「頼まれたんです」
*
曜の夜。
藤田はへった。
午頃。
そこまでは所の証言と致した。
美はすでに準備をしていた。
さなバッグ。
財布。
携帯。
泊分程度の荷物。
藤田はコーヒーを杯んだ。
それから、
でに乗った。
「どこへ?」
健が聞く。
「それは……」
藤田は止まった。
「また言えないのか」
「所を言えば、誰に会いにったかまで分かってしまいます」
健の表が変わった。
「誰?」
藤田は答えなかった。
「男か」
「違います」
即答だった。
「じゃあ女?」
藤田は黙った。
健はその沈黙を見た。
「何なんだよ」
*
警察は、
藤田の話だけを信用したわけではなかった。
内の確認。
記録。
ガソリンのレシート。
速の利用履歴。
藤田は任で、
すべて提した。
き先は潟県方面だった。
健はその事実を聞いて、
さらに混乱した。
「潟に何があるんだ」
美の親戚はいない。
昔の友も、
健のる限りではいない。
藤田はそれでも、
理由を話そうとしなかった。
*
午分。
警察署の話が鳴った。
担当刑事がた。
数分、
表を変えて部をた。
健と藤田は、
無言で待った。
分ほどして、
刑事が戻ってきた。
「さん」
健はちがった。
「美ですか」
刑事は頷いた。
「奥様ご本から連絡がありました」
健のから、
瞬力が抜けた。
「無事なんですか」
「はい」
「怪は?」
「ないそうです」
「どこです」
刑事はしを置いた。
「ご本が、今は伝えないでほしいと希望しています」
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