"消えた妻と青いマグカップ" 第2話
健のが止まった。
「何をです?」
『昨の夕方から、社とも連絡が取れないんです』
*
午半。
健は会社に事を話し、
京駅から特急に乗った。
松本までのが、
異様にくじられた。
美の携帯。
藤田の携帯。
どちらも源が切れている。
とも、
曜の夜から連絡が取れない。
偶然だ。
そう考えようとした。
藤田は仕事でくへっているのかもしれない。
美は体調を崩し、
どこかの病院にいるのかもしれない。
のことを、
ので結びつける理由などない。
なのに、
度浮かんだ考えは消えなかった。
健は窓のを見た。
流れていくを見ながら、
自分に言い聞かせた。
「関係ない」
声にして言った。
*
午分。
松本駅からタクシーで自宅へ向かった。
は閉まっていた。
妻のは、
いつもの所にまっている。
その瞬、
健はしした。
「美?」
玄関をけた。
返事はない。
靴はあった。
普段仕事へ履いていく黒いパンプスも、
玄関に置かれている。
「美!」
リビング。
寝。
台所。
呂。
誰もいない。
のは荒れていなかった。
財布がいつも置かれている棚を見る。
ない。
美が普段使っている茶いバッグも、
なくなっていた。
旅用のバッグは残っている。
もほとんどそのまま。
健はダイニングへ入った。
そこで、
が止まった。
テーブルのに、
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コーヒーカップがつあった。
つは、
美がいつも使ういカップ。
もうつ。
濃い青の、
きなマグカップ。
健はそれをっていた。
数、
藤田がへ来たに、
「これきくていいですね」
と言ってから、
美がいつも藤田にしていたものだった。
カップの底には、
乾いたコーヒーがしだけ残っている。
分。
健は、
しばらくけなかった。
その、
玄関のから声がした。
「さん?」
隣の女性だった。
健は振り返った。
「昨、奥さんのところに誰か来てましたよ」
「誰ですか」
「ほら、よく来る……藤田さんでしたっけ」
健の喉が乾いた。
「何頃です?」
「くらいだったといます」
「帰るところ、見ました?」
女性はし考えた。
「いいえ。でも」
「でも?」
「だったかな。がる音は聞きました」
健は青いマグカップを見た。
「奥さんも緒だったかは、分かりませんけど」
*
そのの夕方。
藤田の会社から連絡が入った。
会社の駐に、
藤田のはなかった。
自宅にもいない。
着替えを持ちした様子はない。
会社の予定表には、
曜の夜から張の記載もない。
そして、
午を過ぎた頃。
警察が所のコンビニに残っていた防犯カメラを確認した。
曜。
午分。
台の黒いワゴンが、
のを通過していた。
藤田のだった。
助席には、
女性が乗っている。
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映像は粗い。
顔までは確認できない。
それでも、
女性が着ていたいグレーの着を見た瞬、
健は分かった。
曜、
京へ戻る。
美が玄関で着ていただった。
「これ……妻です」
刑事が健を見た。
「違いありませんか」
健は答えなかった。
画面ので、
自分の妻が、
来の友の助席に座っていた。
そのは、
松本をれる方向へっていった。
そしてその夜から、
妻と親友、
とも姿を消していた。
防犯カメラの映像は、
わずか数秒だった。
黒いワゴン。
運転席には藤田誠司。
助席には女性。
顔までは映っていない。
それでも健には、
妻だと分かった。
いグレーの着。
肩までの髪。
そして、
助席に座ったの姿勢。
「美です」
健はもう度言った。
刑事が映像を止めた。
「だけで断定できますか」
「曜に着てました」
「似たの能性は?」
「ありません」
刑事はメモを取った。
健は画面から目をせなかった。
曜の午分。
その、
妻はきていた。
しかも、
藤田のに自分から乗っていた。
*
映像をさらに確認すると、
藤田のはコンビニにはち寄っていなかった。
県をへみ、
松本をれている。
約分、
別のガソリンスタンドの防犯カメラにも同じが映っていた。
午分。
運転席は藤田。
助席には、
やはり女性。
今度は横顔がし映った。
警察は写真を拡した。
健は、
何も言われるに分かった。
美だった。
「違いありません」
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