"消えた妻と青いマグカップ" 第1話
〇、曜。
午分。
健は、京・品川のワンルームマンションで妻に話をかけた。
呼びし音が回鳴った。
ない。
珍しいことではなかった。
美は呂に入るも、台所につも、携帯話をリビングに置いたままにする。
健は話を切り、コンビニで買った弁当の蓋をけた。
分。
もう度かけた。
やはりなかった。
「寝たのか?」
独り言を言って、
今度はメールを送った。
【今も遅かった。そっちは?】
返信はなかった。
*
健と美が別々に暮らすようになって、になる。
健が京本社へ異になったためだった。
曜から曜までは京。
曜の夜に松本へ戻り、
曜の夕方にまた京へ向かう。
最初の頃、美は京へ緒にくことも考えた。
だが彼女には松本の内科医院での仕事があり、
くんだもあった。
健の異も、
何続くか分からない。
「じゃあ、しばらくだけ」
そうして始めた単赴任だった。
気づけば、
もう目になっていた。
それでも夫婦仲が悪いとは、
健は度もったことがなかった。
毎晩話する。
週末は緒に事をする。
に度は旅へく。
健は職でもよく言っていた。
「れてても、美とは何でも話せるから」
その言葉を、
疑ったことはなかった。
*
午。
度目の話。
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今度は、
呼びし音さえ鳴らなかった。
【源が入っていないか、波の届かない所にあります】
械な声が流れた。
健は眉を寄せた。
さっきまでは鳴っていた。
池が切れたのかもしれない。
それでもし気になった。
美は翌朝い。
曜の夜に歩くことは、
ほとんどない。
健は松本の自宅の固定話にもかけた。
誰もない。
「どこったんだよ」
計を見た。
午分。
その、
の男の顔が浮かんだ。
藤田誠司。
健より歳。
代からっている輩で、
以付きってきた友だった。
今は松本内でさな宅修理会社を経営している。
健が京へってからは、
のことで何かあれば、
たびたび藤田を頼っていた。
の調子が悪い。
玄関の鍵が固い。
庭のを切りたい。
にが積もった。
そんな、
健が話すると、
藤田はいつも笑って答えた。
「先輩、任せてください」
だから健は、
何度も言っていた。
「俺がいない、美のこと頼むな」
藤田も決まって、
「分かってますよ」
と答えた。
*
健は藤田へ話した。
呼びし音は鳴らなかった。
留守番話に切り替わった。
「誠司、俺。美と連絡つかないんだ。悪いけど、くにいるなら見てきてくれないか」
伝言を残した。
分待った。
返事はない。
もう度話した。
同じだった。
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健はし笑った。
「とも何やってんだ」
そう言ってみたが、
胸の奥にさな違が残った。
*
翌朝分。
健は携帯話の振で目を覚ました。
画面には、
松本の局番。
美の職だった。
「もしもし」
『さんのお宅でしょうか』
受付の女性の声だった。
「はい」
『美さん、そちらにいらっしゃいますか?』
健はベッドので起きがった。
「いえ。僕、京なんです」
『そうですか……』
声がし曇った。
「何かありました?」
『まだ勤されていなくて』
計を見た。
分。
美の勤務始は半だった。
「まだいですよね?」
『ええ。ただ、美さん今、番なんです』
健は黙った。
『に来る予定なんですが、昨確認したいことがあって何度か連絡したのに、携帯もつながらなくて』
昨から。
その言葉で、
昨夜のが気に戻った。
「すみません。僕からも確認します」
話を切った。
すぐ美へかける。
源は切れたまま。
自宅。
応答なし。
健は藤田へ話した。
留守番話。
「誠司、起きてるか? 話くれ」
返事はなかった。
*
分。
健は藤田の会社へ話した。
男性社員がた。
「藤田宅サービスです」
「と申します。藤田誠司さん、いますか?」
『社ですか?』
「はい」
しがあった。
『まだ来てないんです』
「何に来る予定です?」
『普段ならにはいますけど』
「携帯にもなくて」
話の向こうが静かになった。
そして社員が言った。
『さん、社とおりいですか?』
「古い友です」
『何か聞いてませんか?』
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