みかん小説
本棚

"消えた娘、七回の間違い電話" 第8話

の客も何かいた。

酒もしていた。

所から騒音の苦も来ていた。

消防や警察が来れば、営業が続けられないかもしれない。

はそう考えた。

「タクシーで病院に連れていく」

誰かが言った。

でも、すぐにはかなかった。

ライブがまだ続いていたから。

客をせない。

演者に説できない。

誰が付き添うか決まらない。

そんな話をしているうちに、が過ぎた。

穂はてなくなった。

由紀はもう度言った。

「救急、呼びましょう」

った。

「騒ぎにすんな」

分頃。

穂の識がなくなった。

そこで初めて、全員が事態の刻さを理解した。

それでも救急は呼ばれなかった。

「なぜ」

佳代子は聞いた。

誰に聞いたのか、自分でも分からなかった。

は静かに答えた。

「その点で、彼らはもう、自分たちが呼ばなかったことを説しなければならなくなっていた」

最初の分。

次の分。

さらに分。

度判断を違えるたびに、

その判断を隠すため、次の判断も違えた。

を過ぎた頃。

いの医療関係者に話をした。

を打って、識がない」

は、

「すぐ救急を呼べ」

と言った。

そのには、呼吸もおかしくなっていた。

由紀はて、公衆話を探そうとした。

に腕を掴まれた。

「待て」

由紀はそのを振りほどけなかった。

広告

穂はほとんど呼吸をしていなかった。

とスタッフに乗せた。

由紀は、

「病院にくんですよね」

と聞いた。

誰も答えなかった。

由紀が穂を見たのは、それが最だった。

分」という刻は、翌に作られた。

がスタッフを集めて言った。

分に帰ったことにする」

なぜ分なのか。

写真を撮った

客がく、誰がいつたか分かりにくい

そして、女子寮に話した午分からもれている。

「全員、それで話をわせろ」

由紀は頷いた。

怖かった。

歳だった。

仕事を失いたくなかった。

警察に疑われるのも怖かった。

その穂の失踪が聞にた。

由紀は毎、話そうとった。

でも、遅れるたびに言えなくなった。

「私、殺してないってってました」

由紀は警察でそう言った。

「階段から落としたのも私じゃない。救急を止めたのも私じゃない」

でも最に、

「何もしなかったのは私です」

と言った。

由紀の証言をもとに、森たちは再び事聴取を受けた。

最初は否定した。

しかし瀬が先に崩れた。

穂が内で倒れたこと。

救急を呼ばなかったこと。

に乗せたこと。

そこまでは認めた。

問題は、その先だった。

「どこへ連れていった?」

が聞いた。

瀬は泣きながら、

広告

らない」

と答えた。

を運転したのは森

席に野。

瀬はに残された。

は、

「病院に連れていった」

と主張した。

だが、阪府内の病院に、穂が運び込まれた記録はない。

匿名の女性。

代。

その夜の搬送記録も調べた。

致するものはなかった。

野が認めた。

病院にはっていない。

へ向けた。

穂は、そのすでに息をしていなかったという。

「どこにったの」

佳代子はに聞いた。

は答えた。

「今、探しています」

きていた能性は?」

く黙った。

に乗せた点では、分かりません」

佳代子は目を閉じた。

娘がどこかできているかもしれないとっていた。

その希望が、

急に消えたわけではなかった。

もっと嫌な形で変わった。

もし、あの

誰か話をしていたら。

もし、でもっていたら。

もし、最初の分で救急が来ていたら。

その「もし」が、

娘の最に何度もしていた。

 

がすべてを話したのは、逮捕からだった。

最初から最まで、自分は殺していないと主張した。

それは事実だった。

なくとも、穂を階段から突き落としたはいなかった。

事故だった。

ただし、そのは違った。

穂の呼吸が止まったあと。

野は彼女をに乗せた。

た。

何度も引き返そうとしたという。

「救急病院へけばいい」

野は言った。

は、

「今さら無理や」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: