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"消えた娘、七回の間違い電話" 第5話

穂じゃないの?」

修司が振り返った。

「なんで穂なんだ」

その、佳代子は初めて胸の奥にさなじた。

穂が帰っていない。

話が回。

夫は全部、自分で取っている。

そして度も、相の名を聞こうとしない。

分。

回目の話が鳴った。

誰もすぐにはかなかった。

回。

回。

回。

佳代子がった。

修司もった。

が、ほとんど同に受話器へ伸びた。

だが修司の方がかった。

「はい、です」

しばらく黙る。

佳代子は夫の顔を見ていた。

今度ははっきり分かった。

修司は驚いていない。

困ってもいない。

が誰なのか、っている顔だった。

「……分かりました」

それだけ言って、話を切った。

「誰?」

修司は答えなかった。

「誰だったの?」

数秒してから、ようやく言った。

違い話だよ」

回目だった。

その夜、穂は帰らなかった。

翌朝になっても。

昼になっても。

そして佳代子は、その本の話が本当に誰からだったのかをるまで、半待つことになる。

 

そのの夜、修司はに帰ってきた。

佳代子は居気をつけたまま待っていた。

話台のには、黒い帳をいたまま置いてある。

「寮」

その文字と、若葉女子寮の話番号。

修司は帳を見ると、玄関でち止まった。

話したのか」

佳代子は答えなかった。

「若葉女子寮」

修司の顔から表が消えた。

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穂が、あそこに入る予定だった」

「……そうだ」

度も聞いたことのない返事だった。

佳代子は子からたなかった。

「保証になったの?」

「なった」

「いつからってたの?」

の終わり頃」

穂がるって?」

「そうだ」

「どうして私に言わなかったの」

修司は鞄を置いた。

穂が言うなって」

「だから?」

「本が自分で話すって言ってた」

「いつ」

「寮に入ってから」

佳代子は笑った。

声はなかった。

「朝、で送ったのも?」

修司は頷いた。

「駅まで」

「荷物も?」

「ああ」

「学くって私に言ってたの、ってた?」

ってた」

「それでも何も言わなかった」

「俺も良くないとった。でも、あいつはもう歳だ」

「そういう話してるんじゃない」

佳代子の声が震えた。

の夜よ」

修司は黙った。

「あの話、全部寮からだった」

返事はない。

回」

修司は線を落とした。

「最初から分かってたの?」

「最初は分からなかった」

「じゃあ何回目で分かった?」

回目だよ」

佳代子は夫を見た。

回目?」

「向こうが名乗った」

「なのに、違い話って言ったの?」

修司は何も言わない。

回目は?」

「同じだ」

回目も?」

「……そうだ」

穂が来てないって言われた?」

修司の肩がわずかにいた。

「言われた」

佳代子はがった。

「何に?」

すぎだったとう」

「その点で、娘がくはずの寮に着いてないって分かってたの?」

「でも、遅れてるだけかもしれなかった」

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「夜になっても?」

修司は答えなかった。

「最話で、もう話するなって言ったんだって」

「……」

「なんで?」

「おられたくなかった」

その言葉は、佳代子が半像していたどの答えよりもさかった。

「それだけ?」

修司は顔をげた。

「それだけって何だ」

「娘が来てないって分かってたんでしょ」

「だからって、すぐ事件だとはわないだろ」

「でも翌朝も言わなかった」

「言えば、おは俺を責めただろ」

佳代子はしばらく何も言えなかった。

修司は続けた。

「あいつがるのを伝った。黙ってた。それを言えば、おは絶対に——」

「私は何?」

「騒いだ」

「騒いだ?」

「なんで相談しなかった、なんで勝に決めたって。穂を責めたかもしれない」

佳代子は夫の顔を見つめた。

「だから、守ったの?」

修司は黙った。

「誰を?」

その夜、佳代子は初めて寝ではなく、穂の部で寝た。

眠れなかった。

翌朝、警察に話した。

若葉女子寮のことを伝えると、担当刑事のく黙った。

、捜査の提に入っていなかった報だった。

そのの午、佳代子と修司は警察署へ呼ばれた。

修司は別で話を聞かれた。

佳代子は緒に、若葉女子寮へ向かった。

寮は内の古いにあった。

階建て。

壁はで、玄関横に自転台ほど並んでいる。

穂がここにむはずだった。

その事実だけで、建物が現実を持たなかった。

寮母の吉川は、柄な女性だった。

「お母様ですね」

佳代子を見るなり、げた。

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