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"濡れた水泳帽、7年後に暴かれた母の真実" 第10話

らなかった。そんなつもりじゃなかった。お母さんに任せていた」

「ずっとそれだけだよね」

は、妻を殺していない。

游泳馆の正にも、事故にも関わっていない。

それでも母のを、無限に使えるものだとっていた。

病院。

介護。

洗濯。

買い物。

父や美咲ができないことは、母がすればいい。

できないと言えば、族なのにと責める。

「お母さんが毎週泳ぎにくの、どうってた?」

美咲が尋ねた。

「気らしだとってた」

「私は、から逃げたいんだとってた」

「俺も、しはそうっていたかもしれない」

は顔をげられなかった。

「でも、逃げたかったのは族からじゃなかった」

美咲は相談記録を閉じた。

族ので、お母さんだけが自分じゃなくなることからだった」

葬儀には、泳会の元会員も何か参列した。

恵理は来なかった。

代わりにが届いた。

【許していただきたいとはっていません】

【私は真理子さんが倒れているのを見ながら、自分の活が元に戻ることを恐れました】

【あのを失わないために、真理子さんの残りのを奪いました】

美咲はを最まで読んだ。

返事はかなかった。

破りもしなかった。

母の遺骨は、佳代が眠る墓とは別の所へ納めた。

父方のの墓に入れることを、美咲が望まなかった。

、母は度だけ、

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んだまで、お義母さんの隣で世話をするのかな」

と冗談を言ったことがある。

その、美咲は笑った。

今になって、その言葉が冗談だけではなかったと分かった。

母の部を片づけていると、求報誌の切り抜きが見つかった。

内のさな弁当

勤務は午から午

に、母の字でかれていた。

なら働ける】

そのに、

曜の朝は泳ぐ】

とある。

母が望んでいたしいは、きなものではなかった。

婚でも、い町への逃でもない。

週に働くこと。

度、介護を休むこと。

の朝、だけ泳ぐこと。

それだけだった。

けれど族は、そのさえ母が勝に持つことを許していなかった。

 

事件の再捜査が始まってから、

潮見プールは、しい運営会社のもとで再した。

辺健康ネットは解散した。

補助正使用については、が返還を求め、関係者への捜査もめられた。

森川と野々は、母の事故と証拠を隠した経緯について責任を問われた。

は最まで、

「殺すつもりはなかった」

と繰り返した。

その言葉を、美咲は否定しなかった。

殺すつもりはなかったのだろう。

ただ、助けるより先に守りたいものがあった。

団体。

仕事。

補助

自分たちの評判。

そして、ここまで隠してしまった自分自

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母の命は、そのすべてのへ回された。

佐伯恵理は、裁判で証言した。

母が泳いでいなかったこと。

階段から落ちたも話していたこと。

救急を呼ぼうとして、最にはやめたこと。

子と浴巾を濡らし、拖を排くへ置いたこと。

証言を終えた、恵理は法廷ので美咲へげた。

「何も言わなくていいです」

美咲が先に言った。

恵理はげなかった。

「謝られても、今は受け取れません」

「はい」

「でも、証言したことまで無だとはいません」

恵理の肩が震えた。

「それだけです」

美咲は通り過ぎた。

許したわけではない。

したわけでもない。

ただ、恵理の恐怖を理解することと、を許すことは別だと分かるようになった。

父との関係も、すぐには変わらなかった。

は以より事をするようになった。

洗濯。

事。

病院の予約。

だが美咲には、それが母への償いのように見えて苦しかった。

母がいないえることで、

自分も反省していると証しようとしている。

ある、修から話がかかってきた。

、墓参りにこうとう」

「うん」

「そのの片づけを伝ってくれないか」

の美咲なら、予定を変えて帰った。

では変だとった。

族だから仕方がないと考えた。

そのは、友と美術館へく約束をしていた。

特別な用事ではない。

別のにしても問題はない。

だからこそ、美咲はし迷った。

「今は無理」

すと、父が黙った。

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