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"濡れた水泳帽、7年後に暴かれた母の真実" 第9話

もうの縁へ置いた。

「そこまで考えたんですね」

美咲が言った。

「はい」

恵理は目を閉じた。

「私は何もらなかったわけではありません」

分。

森川はから美咲へ話をかけた。

母がいなくなったと伝えた、彼はすでに母を排渠へ運んだだった。

「お母様は、ご自宅へ戻られていますか」

あの問いは、確認ではなかった。

母が自宅へ戻るはずがないことをりながら、

族にも母が自分で消えたとわせるための言葉だった。

警察は野々の供述をもとに、旧排渠の捜索を始めた。

部は崩れ、が腰のさまで堆積していた。

へ続く主は何度も浚渫されている。

遺骨が残っている保証はなかった。

捜索目。

側面の沈砂区画から、属片が見つかった。

着の背に使われていた留め具と同じ形だった。

そのくから、の指の骨がた。

さらにを取り除くと、結婚指輪が見つかった。

内側に刻まれていた文字は、

【S to M】

から真理子へ。

母が結婚以来、したことのない指輪だった。

美咲は連絡を受け、すぐに現こうとした。

だが浦に止められた。

「今は見ない方がいいです」

「母なんですよね」

「鑑定が必です」

「分かっています」

美咲は言った。

にいるとっていました」

けれど母は、へ流されてはいなかった。

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暗い排渠の側面にとどまり続けていた。

母を探すが沖へていたも。

美咲が防波堤から名を呼んでいたも。

母はへ向かう途で、

誰にも見つけられない所へ置きりにされていた。

 

遺骨の元は、歯科記録と美咲との血縁鑑定によって確認された。

原真理子。

失踪歳。

因を完全に特定することはできなかった。

ただ、階段からの転落だけで即した能性はいと判断された。

部をく打っていたが、適切な救命処置を受けていれば助かった能性がある。

母は事故でんだのではない。

事故の、助けられなかった。

その違いは、美咲にとってきかった。

母の遺骨が見つかったの介護支援課から連絡があった。

失踪の、真理子が相談窓を訪れている。

の担当者が、保管期限を過ぎた個メモを元に残していた。

相談内容は、族を捨てたいというものではなかった。

佳代の介護を続けるために、族の負担を組み直したい。

真理子はそう話していた。

希望していたのは、

回の期入所。

回の訪問介護。

の見守りを、夫と娘にも分担してもらうこと。

自分は週に、午だけ働きたい。

担当者のメモには、真理子の言葉が残っていた。

族を嫌いになりたくないので、ずっと緒にいないが必

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美咲はその文を何度も読んだ。

母は族から逃げようとしていたのではない。

族を憎むに、距を作ろうとしていた。

「どうして、私に言わなかったんでしょう」

美咲が尋ねると、元担当者は答えた。

「何度か話したけれど、聞いてもらえなかったと言っていました」

美咲には覚えがあった。

母が、

「夜だけでも交代できない?」

と尋ねた夜。

美咲は仕事があると言った。

母が期入所のパンフレットを卓へ置いた、父は、

らない所へ預けるのはかわいそうだ」

と片づけた。

美咲も反対しなかった。

自分が世話をするとは言わず、

祖母を施設へ入れるのはかわいそうだとった。

その「かわいそう」を実際に支えていたのは、母だった。

美咲は父へ相談記録を見せた。

は黙って読み終えた。

「お母さんがいた、施設なんてかわいそうだって言ったよね」

「そうだったな」

「でも、お母さんが消えた、おばあちゃんを施設へ入れた」

佳代は真理子の失踪度転倒した。

と美咲は仕事を続けながら介護することができず、期入所を経て施設へ移した。

母が提案したには拒んだ選択を、

母がいなくなれば、すぐに必だと認めた。

族で見ればいいって言ってたよね」

は額へを当てた。

「できるとっていた」

「誰が?」

は答えなかった。

「お父さんが言う族って、いつもお母さんのことだった」

「そんなつもりは」

「なかった?」

美咲は父を見た。

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