みかん小説
本棚

"濡れた水泳帽、7年後に暴かれた母の真実" 第8話

「はい」

恵理は涙を拭かなかった。

「だから真理子さんの残りのを奪いました」

 

失踪当の午分。

游泳馆の搬入いている。

両記録に、森川のいワゴンのナンバーが残っていた。

刻は午分。

退刻は午分。

、森川は警察へ、

泳会終、備品を運ぶためした」

と説している。

き先は団体の事務所。

だが事務所の防犯記録に、が到着した形跡はなかった。

さらに、両の記録を管理していた備会社から、古い点検票が見つかった。

失踪当は、游泳馆から事務所を往復する距よりキロい。

「どこへったんですか」

再聴取で浦が尋ねると、森川は、

「覚えていません」

と答えた。

のことですから」

原真理子さんを乗せましたか」

「乗せていません」

「搬入から何を運びしましたか」

「清掃用品です」

「清掃用品を運ぶために、部座席のカーペットを翌すべて交換した?」

森川の表が止まった。

備記録には、

面のい汚損および臭気】

かれていた。

森川は、漂剤が漏れたと説していた。

だが同じ内の固定具から採取された古い繊維片が、母の着と同じ素材である能性がいと判した。

母は清掃用品用の型台に乗せられた。

広告

体のには、のビニールシートが掛けられた。

野々と森川が搬入まで運んだ。

恵理は、その途まで見ていた。

「病院へ連れていくと言われました」

恵理は話した。

「救急ではなく?」

「表の病院へけば事故の所を聞かれるから、いの診療所へ連れていくと」

恵理は、それを信じたかった。

なくとも、へ乗せるまでは。

だが森川は診療所へ向かわなかった。

游泳馆をたワゴンは、沿いの幹線った。

のガソリンスタンドの映像に、が映っている。

席には野々が座っていた。

刻は午分。

に説した事務所とは、反対方向だった。

沿いの監カメラをつなぐと、は臨区へ入っている。

その先には、使われなくなった排放施設があった。

防潮事によってしいが作られた、旧排渠は封鎖され、管理用の細いだけが残されていた。

森川の団体は以、その周辺で岸清掃活っている。

所をっていた。

野々は最初、に乗っていないと主張した。

だがガソリンスタンドの映像を見せられると、

「森川さんに頼まれて同した」

と認めた。

原さんは、そのすでにくなっていました」

「誰が確認しましたか」

「森川さんです」

「森川さんは医師ですか」

「違います」

広告

「救急を呼べば、蘇能性があったとは考えませんでしたか」

野々は答えなかった。

「排渠へった理由は?」

「病院へく途で、森川さんが方向を変えた」

「止めなかった?」

「混乱していました」

りてから何をしましたか」

野々、黙っていた。

その

「私が案内しました」

と話した。

旧排渠には、点検用の鉄扉がある。

野々は以の施設管理に関わっていたため、京錠の番号をっていた。

は母を台からろし、通の奥へ運んだ。

渠の底にはがたまり、満潮にはが流れ込む。

森川は、

る」

と言った。

野々も、遺体はいずれへ流されるとった。

「なぜ、そこまでしたんですか」

浦が尋ねた。

野々は俯いた。

「最初は、事故を隠すだけのつもりでした」

「事故を隠すためにを運んだ」

「救急を呼ばなかった点で、もう説できないとった」

つの嘘を守るために、次のを選んだ。

無許利用を隠す。

名簿を隠す。

救助の遅れを隠す。

母が管理区域にいたことを隠す。

には、母そのものを隠した。

游泳馆に残った恵理は、会員たちへ同じ説をした。

真理子は第で泳いでいた。

体調が悪くなり、非常の方へ歩いていった。

気づいたにはいなくなっていた。

青い拖は、野々へ乗るに恵理へ渡した。

「排くへ置いてください」

恵理は最初、をそろえて置いた。

だが、それでは誰かがに置いたように見えるとった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: