"断髪新郎の逆転婚礼" 第3話
礼子さんは私のスカーフを指差した。
「彩佳さん、そのってどうなってるの? 今そういう巻き方が流ってるの? それとも……隠してるの?」
「お母さん、そんな聞き方失礼よ」
美紀さんがすぐに止めた。
しかし礼子さんは全く気にする様子がなかった。
「だって気になるでしょう? 私、この子を見るの2度目なのよ。このバスで見かけたはニットだったの。髪も全然見えなかったし」
私は黙って線を落とした。
すると健太が私の表を確認してから、静かに声をかけてきた。
「彩佳、俺から話していいか?」
私はさく頷いた。
兄は美紀さんの両親へ向き直った。
「実は、彩佳は乳がんの治療をしています」
美紀さんの父親は驚いたように目を見いた。
礼子さんも瞬黙った。
「とはいっても、期に見つかりまして、治療も今のところ順調です。命に別状があるような状態ではありません。ただ、抗がん剤の副作用で髪が抜けてしまったんです」
私はスカーフへ軽くを添えた。
「見た目はこんなじですけど、今は普通に常活を送れています。仕事もしていますので、あまり配しないでください」
「そうだったんですか。それは変でしたね」
美紀さんの父親は穏やかに言ってくれた。
しかし礼子さんは違った。
「え、がん? 本当に丈夫なの?」
「今はだいぶ落ち着いています」
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「でも再発は? 完全に治ったの?」
質問が次々とんできた。
私はなるべくをさずに答えた。
「まだ治療なので、完治したとは言えません。でも、このまま順調なら良い経過になる能性がいと先には言われています」
「でも、それってまだ分からないんでしょう?」
「まあ、そうですけど」
礼子さんはそうな顔をするどころか、何か損得を計算するような表になった。
「もし悪化して入院することになったら、誰が面倒を見るの? 美紀があなたの世話をすることになるんじゃない?」
「お母さん」
美紀さんがい調で止めた。
だが礼子さんは構わず続けた。
「がんの治療っておもかかるでしょう? 健太さんは流ホテルの料理だから、娘との活は丈夫だとっていたけど、もしかして妹さんの治療費まで健太さんがしてるの?」
「お母さん、話が躍しすぎ」
「私は美紀の将来が配だから確認してるだけよ」
そのの空気がくなった。
私は兄や美紀さんにこれ以迷惑をかけたくなくて、自分から説した。
「治療費については保険もありますし、私も仕事をしています。兄たちに負担をかけるつもりはありません」
「そうは言っても、何かあれば族でしょう?」
礼子さんが言った。
「結婚って族同士のつながりなんだから、最初にちゃんと確認しておかないと」
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兄は度息を吐き、礼子さんの方へ体を向けた。
「おっしゃる通り、彩佳の体調によっては、美紀さんにも何かを貸してもらうことがあるかもしれません」
私は兄の横顔を見た。
「それでも僕は美紀さんと結婚したいです。彼女と幸せな庭を築きたいとっています。どうか結婚を認めていただけませんか」
美紀さんの父親はすぐに頷いた。
「母さん、健太君もこう言ってくれているんだ。何か起きたら、そのに族で考えればいいじゃないか」
結局、兄たちの結婚に反対する話にはならなかった。
けれど私は、そのにはっきり理解した。
礼子さんは私を、美紀さんたちのしい活にとって邪魔なだと考えている。
数。
らない番号から私のスマートフォンへ話がかかってきた。
「もしもし」
「川崎彩佳さん?」
「はい。どちら様ですか?」
「林美紀の母です」
嫌な予がした。
「しあなたと話したいことがあるんだけど、今からてこられる?」
指定されたのは駅のファミリーレストランだった。
へ入ると、礼子さんは奥の席からきくを振った。
「あ、彩佳さん。こっち、こっち」
私は向かいへ座った。
「お待たせしました。それで、お話というのは?」
礼子さんはをみ、何でもないお願いでもするように言った。
「あなた、お兄さんと族の縁を切ってくれないかしら」
瞬、が理解できなかった。
「……はい?」
「だって健太さんは、うちの美紀と結婚するのよ。病気のあなたがいたら2の邪魔になるでしょう」