"車椅子妻の断罪" 第4話
だが健はで笑うと、机に置き忘れた財布を掴み、そのままていった。
音が完全にざかった、加奈は目をけた。
額の汗と涙が、枕ので混じりっていた。
それでも彼女は止まらなかった。
夫がけないとい込んでいるを、毎晩1つずつ取り戻していった。
夜のリハビリを始めてから、半が過ぎた。
ある夜、健はいつもと違っていた。
普段なら午9には病をるのに、そのは10を過ぎてもソファへ座り、何度もスマートフォンを確認していた。
画面を見る。計を見る。再び画面を見る。
誰かを待っていることはらかだった。
午1040分、健のスマートフォンがく振した。
画面を見た彼の元に、かすかな笑みが浮かぶ。
健はソファからちがり、加奈の顔を度見ろすと、音をてないように病をていった。
扉が閉まった瞬、加奈は目をけた。
まだ自分の体を両だけで支えられる状態ではない。しかし毎晩の訓練で半の力は戻り、腕と腹筋を使えばを移できるようになっていた。
加奈はベッドの縁を掴み、ゆっくりと半を起こした。
体を横へずらし、へりる。
膝がたいタイルに触れた。
加奈は両肘をつき、体をくして病の扉へんだ。
扉をわずかにき、廊をのぞく。
健の背が見えた。
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そのには、濃いのスーツを着た30代半ほどの女性がっていた。髪をきっちりとまとめ、には類の封筒を持っている。
2は廊の先にある休憩へ入っていった。
加奈はをいながら、そのくまでんだ。
患者の膝がタイルに擦れ、かすかな音をてる。廊の角までたどり着くと、壁へ背を預けて息を殺した。
休憩のガラス扉は、完全には閉まっていなかった。
指1本分ほどの隙から、女の声が聞こえてきた。
「健さん。座の商業ビルの名義は、偽造した類を使って私たちの会社へ移したわ」
加奈の指がので止まった。
「だから、あの女の容体が良くなったという記録が残るに、今に処理しないと」
あの女。
それは違いなく、加奈を指していた。
健の声が続いた。
「真だから、へ避暑にこうと言えば怪しまれない。携帯の波も届かない奥へ置いてくれば終わりだ」
「本当に丈夫?」
「もかない。薬で識もまともじゃない。でし目をしたに姿が見えなくなったと言えばいい」
健はく笑った。
「数にので見つかっても、子のブレーキがれて事故になったと判断される」
加奈は両でを覆った。
財産を奪うだけではなかった。
健と女は、加奈を奥に捨てて殺すつもりだった。
女が楽しそうな声で言った。
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「全部終わったら、お祝いのパーティーをしましょう。私たち、このをどれだけ待ったことか」
子が引かれる音がした。
2がちがる気配だった。
加奈は急いで来たを戻った。
肘と膝を使い、音をてないように病へ向かう。扉をけ、からベッドへ体を持ちげ、布団をかぶった。
そこまでに2分もかからなかった。
全は汗で濡れ、を擦った指先から血が滲んでいた。加奈はそのを布団の奥へ隠した。
しばらくすると、健の音が病のを通り過ぎた。
ち寄ることなく、エレベーターの方へざかっていく。
薬で眠っている妻が、廊をって会話を聞いていたとはいもしなかったのだろう。
音が消えた、加奈は布団からをした。
血の付いた指先を見つめ、ゆっくりと握りしめる。
涙はもうなかった。
残っていたのは、健とあの女を必ず法のへたせるという決だった。
翌朝、健は護師ので優しい夫を演じた。
加奈の額を撫で、「へ寄ってくる」と告げて病をていく。
加奈は3分待った。
戻ってこないことを確かめると、枕のに隠していたスマートフォンを取りした。
話をかけた相は、故郷の群馬県で30以弁護士を続けている伊藤浩だった。
伊藤は加奈の父親がきていた頃から、の法律問題を担当していた。
加奈が建築事務所を設した、登記や契約を伝ったのも彼だった。
呼びし音が3回鳴る。