みかん小説
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"父の死後、姉に追い出された私が嫁いだ農家の秘密" 第14話

迫り来る嵐と母の叫び

平穏なの終わり、の朝。 農園に、突如として暗がち込める事故が発した。

朝、田んぼの見回りをしていた義母のさんが、用のにを取られてから滑落したのだ。 「美咲さん……っ!」 くから聞こえた微かな鳴に駆けつけると、さんは畦にうずくまり、首を押さえて脂汗を流していた。 救急で病院へ緊急搬送され、された診断は――関節の複雑骨折。全治ヶの傷だった。 即ボルトを入れる術がわれ、最でも週の入院を余儀なくされた。

「ごめんねえ……美咲さん、輔……! よりによって、こんな番事な期に……!」 病のベッドので、さんは涙を流して何度もをわせた。 米農にとって、はの集成である稲刈りの季節。 で最もが必な収穫期をに、現を取り仕切ってきたベテランの義母が戦線脱したことは、農園にとって致命な打撃だった。

「お母さん、絶対に謝らないで。命に別状がなかっただけで分です。田んぼのことは、私と輔さんで絶対にやり遂げますから!」 私がさんのを握りしめて励ますと、輔さんも力く頷いた。

に入り、さんの退院も松葉杖活が続く、輔さんは本社の経営業務のを縫い、朝から夜までコンバインを操って稲刈りをめた。

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全ヘクタール(京ドーム約個分)の広な田んぼのうち、約半分を刈り終えたの朝、ので発した型台が州に陸した。

「宮崎の契約農さんの圃が、川の氾濫で没したらしい……! 俺、現へんでくる。に浸かった籾の救と、臨の乾燥ラインの配をしなきゃならん。困っているに駆けつけなきゃ、何のための会社か分からないからな」 輔さんは着替えをボストンバッグに詰め込み、朝番ので州へ向かった。には戻る予定だった。

しかし――翌の午、居のテレビの気象報を見ていたさんが、鳴のような声をげた。 「美咲さん、これ……見ておくれ!」

画面に映しされたのは、本の沖で猛烈な勢力に急発達した【台号】の予図だった。 気圧百ヘクトパスカル。過最クラスの超型台が、急激にをへと変え、わずかの夕方、まさにこの信越方を直撃するコースを辿っていたのだ。

「そんな……! まだヘクタールも稲が残ってるのに……!」 さんが顔面を蒼にして震えした。 実りきった黄の稲穂は、いに晒されれば瞬で根元から倒伏(とうふく)する。に浸かれば籾から芽がてしまい、商品価値はゼロになる。

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何より――あの『番田んぼ』の極米が、まだ付かずのまま残されていたのだ。

私は即座に、輔さんの携帯話へコールした。 しかし、州からの便は台の直撃によって全便欠航。現の交通網も寸断され、輔さんがこちらに戻れるのは、くても台が通り過ぎたになるという。

『美咲、すまない……! 宮崎の復旧作業でを取られ、きが取れない! 無理に田んぼにるな! 稲は諦めてもいい、美咲と母さんが怪をするのだけは絶対に嫌だ!』 受話器の向こうの輔さんの声には、引き裂かれるような焦燥と無が滲んでいた。

、汗垂らして育ててきた稲を、指をくわえて嵐に差しせというのか。 輔さんが誰よりも切にしてきた田んぼを、諦めろというのか。 私の胸の奥で、カッとい炎が燃えがった。

「輔さん」 私のからたのは、自分でも驚くほど静かで、凛とした声だった。

「諦めません。台が来るので、残りの田んぼ、全部刈り取ります」

『えっ……!? 美咲、何を言ってるんだ! コンバインをかせるがいないんだぞ!?』

「私が現の指揮を執ります。輔さんは、宮崎の農さんを守ってあげてください。……私、言ったでしょう? 『私も田んぼを守る』って!」

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