"父の死後、姉に追い出された私が嫁いだ農家の秘密" 第1話
えた卓との姉
の未、張り詰めたの寒気がを覆い尽くす午過ぎ、病の図モニターが静かな平坦音を響かせた。 父・寺正(こでら・しょういち)、享。 の脳梗塞で半に麻痺が残り、ほどからは全も併発して入退院を繰り返していた。そのい闘病活の最期を取ったのは、姉妹の末っ子である私、美咲(みさき・歳)ただだった。 母は私が歳のにすでに界しており、女のマリ子(歳)と次女のゆか(歳)は、とうの昔に結婚してそれぞれに派な居を構えている。
「美咲は実に同居してるんだから、お父さんの面倒を見るのは当然でしょ」 それが、の姉が顔をわせるたびににする免罪符だった。 内の建材卸売会社で経理事務としてフルタイムで働きながら、朝は父の血圧測定と薬管理、朝の介助を済ませてから社する。定退社を勝ち取るために昼休みを削って伝票を処理し、夕方はスーパーの見切り品に駆け込んで父の柔らかな事を作る。み込みの力がっていた父のため、ご飯は分めに炊きげ、おかずは舌で潰せるきさに包丁を入れた。夜に何度も起きては寝息を確かめ、失禁があれば夜にシーツを洗う。
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そんな過酷な介護活を、私は誰に愚痴ることもなくにわたってきりで背負い続けていた。
それにもかかわらず、通夜と葬儀が終わったわずかの曜、姉は喪の残りも消えぬうちから、ドカドカと同然の勢いで実へがり込んできたのである。 仏壇のに線をあげることすら回しにし、居のこたつに陣取ったマリ子姉さんが、え切った声で吐き捨てた。
「美咲、単刀直入に言うわね。この、けすぐに売り払うことになったから」
あまりに唐突な宣告に、私はお茶を運ぼうとしていた急須を取り落としそうになった。 「え……? 売り払うって……まだ父のもけていないのよ? 納骨だってまだなのに……」
「だの傷だのに浸ってる余裕なんて、うちにはないのよ!」 ゆか姉さんが、こたつののみかんを無慮に剥きながら、眉を吊りげて睨みつけてくる。 「うちは来、の子が学で物入りなの。マリ子姉さんのところだって、旦さんの会社の業績が怪しいって言ってたじゃない。この古いとを更にして売りにせば、千万円にはなるって産が言ってるのよ。お父さんがんだ以、あんたがでこんな無駄に広いに居座り続ける権利なんてないでしょ」
「居座るだなんて……! ここは私がまれ育ったで、お父さんが遺してくれた所よ。
それに、私にだって法定相続分があるはずじゃない」
私の震える反論に対し、マリ子姉さんはカバンから枚の類を取りし、茶卓のに叩きつけた。 印字されていたタイトルは――【遺産分割協議】。
「あんたはずっと賃も払わずに実にタダ飯らいでみ続けてきたんだから、それだけで分『贈与』みたいなものでしょ! 介護? 娘が親の面倒を見るのは法律の扶養義務よ、恩着せがましく主張するんじゃないわよ。このに名をいて、実印を押しなさい。名義は全部私が引き継いで売却の続きをするから」
類を凝した私の界が、屈辱で滲んだ。 産はすべて女のマリ子が相続し、預貯は女と次女で等分に分配する。女である私の取り分は、綺麗さっぱり『零円』と記載されていた。