"朝八時までのヒーロー弁当" 第18話
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朝の仕事が落ち着くにつれ、しず子はしい配をにするようになった。「私が邪をひいたら、あんたじゃ無理だよ」。正夫は「そのときは休む」と答えたが、会社との注文がある以、急な休みをどう伝えるかは決めておく必がある。は浦に相談し、体調良や設備故障で営業できないは、決めた連絡先へめにらせることにした。会社は別の朝配先も用しておくという。
「それなら、無理してをけなくていいね」。しず子が言うと、正夫は「休むときは休む」と頷いた。若いころはがあっても厨にとうとして、しず子に叱られたことがある。今は品を扱う以、体調が悪ければ作らないことも仕事のうちだ。はの壁に連絡先をいたを貼り、毎朝体調を確かめてから仕込みを始めるようにした。
そんなある、しず子の姪の娘である美紀がを訪ねてきた。代半ばの美紀はくのスーパーで午の仕事をしており、週にだけが空くという。しず子が膝のことやしい契約の話をすると、「い箱を運ぶだけでも伝おうか」と言ってくれた。正夫は最初、「うちはでやってきた」と断りかけたが、しず子は「だけでやってきたから、今の膝なんでしょう」と返した。
美紀は調理の経験が豊富なわけではなかった。
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そこでは、まず洗浄済みの容器を並べることや注文表の確認、受け渡しの補助を頼んだ。品を直接扱う仕事は必な順を教えてからにし、無理に任せない。美紀は「のやり方を勝に変えたくない」と言い、しず子は「変えたほうがいいところは言って」と答えた。に第者の目が入ると、当たりだとっていた作業の無駄にも気づいた。
美紀が最初に提案したのは、注文表を壁に枚だけ貼るのではなく、仕込み用と受け渡し用に分けることだった。しず子は「そんなにを使うの」と笑ったが、で別の作業をしているときに枚を取りわずに済む。正夫は受け渡し用のを眺め、「こっちの字はきくしてくれ」と注文した。美紀はすぐにき直し、正夫は「これなら見える」と満そうに頷いた。
翔太は美紀に会うと、のしい仕組みを説した。「注文はまでで、当は俺たちが取りに来ます。正夫さんにはいものを持たせない約束です」。美紀は「それ、私も守らせるね」と笑った。正夫はの会話を聞いて、「みんなで俺を寄り扱いする」とぼやいた。しず子は「歳は寄りだよ」と即座に返し、翔太たちはわず笑った。
ある夕方、翔太の父、修が杖をついてへやって来た。息子から話を聞き、どうしても顔を見たくなったという。
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正夫は入でその顔を見た途端、「川さんか」と声をげた。髪が増え、歩く速さも変わっていたが、目元は昔のままだった。修は「ずいぶんくご無汰しました」とをげ、正夫は「元気そうで何よりだ」と子を勧めた。
しず子が茶をすと、修はの台を懐かしそうに撫でた。「夜勤けにここで買って、息子と卵焼きを分けるのが楽しみでした」。正夫は「息子も同じ顔で買いに来る」と答えた。修は笑い、翔太が子どものころ弁当の蓋をける音で起きてきた話をした。しず子はの会話を聞きながら、続けてきたものは売の数字だけでは測れないのだとった。
帰り際、修は「これからも無理のない範囲で続けてください」と言った。正夫は「そのつもりだ」と答えた。昔なら「ぬまでやる」と言っていたかもしれない。だが今は、休みを決め、を借り、できる数だけ作ることを覚えた。修がゆっくり歩いて帰る背を見送りながら、正夫は自分も同じように歳を取ったのだと、ようやく素直にえた。