"「祖母が危篤」と10万円を求めた夫の大嘘" 第16話
の向こうの振込通
夫がに乗ってかが過ぎた頃、初めていメールが届いた。朝の作業で指を擦りむいたこと、魚を運ぶ箱のさを甘く見ていたこと、が荒れたは事を取るだけでも変なこと。文章は以の夫らしくないほど具体だった。最に『今の振込は予定どおりにした。細を添付します』とかれていた。
私は添付された画像を確認した。子どもたちの活費、消費者融への返済、私への返済。それぞれの振込先と額が分かるように記録されていた。以は「振り込んだよ」と言われても、確認すると入っていないことがあった。今は私が尋ねるに、夫が記録を送ってくる。私は『確認しました。体に気をつけて』とだけ返した。
航、連絡が取れるは限られていた。子どもたちの写真を送っても、返事が数になることがある。私はそのにの成を記録し、夫のためだけではなく、自分のためにアルバムを作った。陸が初めて自分でった、が積みをつねた。私が眠れなかった夜のことも、くき添えた。
ある夜、がいをした。分が取りにくくなり、私は病院の相談窓へ連絡して受診の目を確認した。母が陸を見てくれたので、私はを抱いて夜の診療所へ向かった。医師に診てもらい、帰宅したのは夜だった。
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夫へは状況をらせたが、返信は翌々になった。
は診察で泣き続け、私はさな背をさすりながら医師の説を聞いた。母がで陸を寝かせてくれていると分かっていても、細さは消えなかった。帰宅して母の顔を見た瞬、肩の力が抜けた。私は子どもを守るためにでくなる必はない。困ったときに連絡できるを増やすことも、親として切な準備なのだとった。
『丈夫だった? 何もできなくてごめん』。夫から届いた文を読んで、私はし考えた。くで働くことを選んだ以、急な受診にち会えないこともある。切なのは、できないことを謝るだけで終わらせず、れていてもできる責任を果たすことだ。私は『受診費用と今の預け先を緒に確認してほしい』と返した。
夫が戻ったときにこの夜のことを話せるよう、私は受診した刻と医師の説を育児ノートにいた。りを伝えるためではなく、父親としてっておいてほしかったからだ。に乗っているも、子どもたちの活は止まらない。そのことを夫が理解し、戻ったときに自分の役割を果たしてくれるなら、れて働くも変わるとった。
次に連絡が取れたとき、夫は勤務のに保険や子どもの医療費助成について調べ、必な類を確認したとらせてきた。
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私はすでに続きをめていたが、夫が自分で調べたことにはがあった。以なら「乃は護師だから分かるだろ」で終わっていたはずだ。今度は、私に任せきりにしないためにいていた。
それでも、私がしきることはなかった。夫の返済が度遅れれば活費の計画を見直さなければならないし、子どもが病気になれば仕事の予定も変わる。私は母と松さんに頼れるを相談し、自治体の預かりについても調べた。夫が戻ってくるかどうかに関係なく、を育てるためのを複数用しておきたかった。
ある晩、松さんから話が来た。「幸から私にもが届いたよ」と言う。そこには『ばあちゃんを何度も危篤にしてごめん』とかれていたそうだ。松さんは「きてるうちに謝る相がいるのは、ありがたいことだね」と笑った。私はその言葉を聞きながら、夫の謝罪が初めて、私以のにも向けられていることに気づいた。