"「祖母が危篤」と10万円を求めた夫の大嘘" 第7話
親族に回った話
親戚への嘘は、私がっていたより広がっていた。枝さんは万円、方にむ叔父は万円、別の従姉は万円を、松さんの入院費や見いの名目で幸へ渡していた。計万円。幸はそれぞれに「祖母が配してほしくないと言っている」と説し、松さん本へ確認させないようにしていた。
「が配する気持ちまで、に換えたんだね」。松さんは話でそう言った。親戚は誰も、松さんへ直接おを渡したつもりはなかった。孫が必だと言うなら役ててほしい、ただそれだけだったのだ。私はずつ連絡先を確認し、幸自が説と謝罪をするを設けるよう提案した。
曜、松さんのに親戚が集まった。私は双子を母に預け、しれた席に座った。枝さんは夫の顔を見るなり、「松おばさんのことを配して、夜も眠れなかったんだよ」と言った。幸はをげ、「嘘でした。借の返済に使いました」と告げた。誰も声をさなかったからこそ、部の空気はかった。
叔父は「困っているなら相談すればよかった」と言った。幸は「言えなかった」と答えたが、枝さんが静かに聞き返した。「相談する勇気はなくても、にそうだと嘘をつく勇気はあったのね」。夫は何も言えなくなった。
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私は親戚の線が自分へ向くたび、謝りそうになるのをこらえた。私が謝れば、また彼のしたことを族全員でめてしまう気がした。
親戚のたちは、私が双子を妊娠していたこともっていた。「乃ちゃんには配させたくないから、こちらです」と幸が言ったそうだ。その言葉を聞いたとき、私は瞬だけ目を閉じた。私を気遣うふりをして、親戚には確認をためらわせ、私には親戚のを隠していたのだ。別々のに別々の説をすることで、嘘がばれにくくなる仕組みだった。
松さんは「乃ちゃんには返済の義務も、あんたの言い訳をする義務もない」とはっきり言った。親戚のが私へ「らなかったのなら仕方ない」と声をかけてくれた。私はをげたが、夫の代わりに弁解はしなかった。幸はそれぞれの借入れについて、付と額をき直し、本に確認してもらった。
集まりの終わり、叔父が私を台所へ呼んだ。「あの子、父親の介護をしていた頃は本当に真面目だったんだ。急にどうしたんだろうね」。私は同じことを何度も考えていた。けれど、介護を頑張ったことと、今の為を許せるかどうかは別だった。「昔の幸を私もっています。でも今のことは、今の幸に責任を取ってもらいます」と答えた。
帰り際、枝さんは松さんに「もう隠さないでね」
と言った。松さんは「私も、孫をかばってしまった」と謝った。私には、そのやり取りが救いに見えた。違ったを守るために嘘をねるのではなく、起きたことをそのまま言葉にする。族が変わるとすれば、そこからしか始まらないのだとった。
へ戻ると、母がを抱きながら「今はし顔がいいね」と言った。私は笑えなかったが、肩の力は抜けていた。夫の問題を親戚全員へ説し終えたことで、私が秘密を抱え込む必はなくなった。その夜、幸から『みんなに謝った。次は何をすればいい』と連絡が来た。私は『次は言われなくても、自分で調べてして』と返した。