"3年眠った財閥社長を叩き起こした3歳の道士" 第7話
氷の毒と暴かれた悪
しかし、その穏やかなはくは続かなかった。
「晏蕭さん! やっぱりここだったのね!」
遊園の広で、息を切らした柳飄飄と朵朵が待ち伏せしていたかのように現れたのだ。朵朵のには、級アイスクリームのカップがつ握られていた。
「晏蕭さん、先は取り乱してごめんなさい。朵朵も反省しているの。ほら、しんしんちゃん、仲直りの印にイチゴのアイスを買ってきたよ」
朵朵が笑顔でカップを差しす。国内最級ブランドの、濃なアイスクリームだった。
兮兮はそのカップを見つめ、ピタリときを止めた。そして、たい声で言い放った。
「いらない。自分でべなよ」
「どうしてよ! わざわざ番いのを買ってきてあげたのに!」朵朵が満そうに叫ぶ。
晏蕭が眉をひそめた。「兮兮、せっかく買ってきてくれたんだ。礼くらい言ったらどうだ」
「べないって言ったらべないの! 陸の男坊も、絶対にべちゃダメ!」
兮兮のあまりにも頑なな態度に、晏蕭は審を抱いた。この子は普段、べ物に対して異常なほどの執着を見せるはずだ。それなのに、なぜこのアイスだけをこれほど激しく拒絶するのか。
その、飄飄が慌てて割って入った。
「いいのよ晏蕭さん、お子さんだから嫌が悪いもあるわ! 溶けちゃうともったいないから、私がバニラをもうつ買ってくるわね!」
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飄飄が踵を返そうとした瞬、晏蕭のが彼女の首を掴んだ。
「待て」
「え……? 晏蕭さん?」
「そのアイスを、俺に寄越せ」
「えっ……でも、晏蕭さんは甘いものが苦でしょう? それに、もう溶けかけてるから……」
飄飄の声が、目に見えて震え始めていた。指先が刻みに痙攣し、線が泳いでいる。
「いいから寄越せと言っている」
晏蕭は引にカップを奪い取ると、蓋をけた。見た目は何の変哲もないイチゴのアイスクリームだった。しかし、匂いを嗅いだ瞬、鋭い化学薬品のような微かな異臭が孔を突いた。
兮兮が静かにをいた。
「それ、ただのアイスじゃないよ。喉を潰して、内臓をボロボロにする劇薬が入ってる」
広の空気が、瞬にして凍りついた。
「な、何を馬鹿なことを言ってるの!?」飄飄が切り声をげた。「ただのアイスよ! 子どもがデタラメを言ってるだけじゃない!」
「じゃあ、おが今ここでってみろ」
晏蕭のく沈んだ声が、広に響き渡った。
「……え?」
「えよ。自分で買ってきた、何の変哲もないアイスなんだろ? でいい、今すぐここでみ込んでみせろ」
スプーンに盛りのアイスをすくい、晏蕭はそれを飄飄の唇へと突きつけた。
飄飄の顔から、完全に血の気が引いた。彼女はガタガタと全を震わせ、ずさりし、最にはバッとアイスを払いのけた。
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ボトッ、と畳のに落ちたアイスクリームから、ジュウというさな泡がち、舗装の隙の雑が瞬で黒く変していった。
「マ、ママ……?」朵朵が怯えて泣きした。「ママ、何を入れたの……? 妹ちゃんにあげるって言ってたのに……」
「黙りなさい、朵朵!」
取り乱して叫ぶ飄飄の姿を、晏蕭は氷のような差しで見ろしていた。
の昏。そして、目覚めた直に仕掛けられた、実の娘に対する毒殺未遂。
すべてが繋がった。
事故の背にいた黒幕、そして自分を操ろうとしていた女の正体。
「警察を呼べ」
晏蕭は懐から携帯話を取りし、徹に通告した。
「柳飄飄。おがから何を企み、誰と繋がっていたのか……警察の取調で、骨の髄まで吐きしてもらう」
泣き叫びながら警備員に取り押さえられる元婚約者を背に、晏蕭は震えるで兮兮をしっかりと抱きげた。
さな士は、父親の胸に顔を埋め、さく呟いた。
「……言ったでしょ。あの女は、陸の男坊を殺そうとしてるって」
「……ああ。おの言う通りだった」
徹な社の仮面が完全に剥がれ落ち、そこにはの父親としての激しい悔と、娘を守り抜くという確固たる誓いだけが残されていた。