"3年眠った財閥社長を叩き起こした3歳の道士" 第6話
遊園の射と青緑のウサギ
週末、晏蕭はきな黒いマスクとサングラスで顔を完全に隠し、内の巨遊園のゲートにっていた。
財閥の若き総帥がこのような衆の娯楽施設にを踏み入れるなど代未聞だったが、すべては「兮兮を連れてけ」という奥様の厳命によるものだった。
隣には、相変わらず粗末な青いを着て、にお団子を作った兮兮が歩いている。にはで買わせた巨な虹の綿飴を持っていた。
「ほら、あげる。くべて」
「俺は甘いものはべない」
「ひいおばあちゃんはべたよ! べないと、になってもお化けに追いかけられるよ!」
引に元に押し付けられた綿飴を、晏蕭は渋々かじった。舌ので溶ける烈な甘みに眉をひそめながらも、なぜか胸の奥がじんわりと温かくなるのをじていた。
そこへ、だかりができている台が目に入った。コルク銃でを割る射のだった。
特等の景品棚には、限定版のきなウサギのぬいぐるみが飾られている。青緑とピンクの対になったペアのぬいぐるみだった。
「あれ、欲しいのか?」
「ううん、兮兮はおがないから見ているだけ」
「俺が取ってやる。見ていろ」
晏蕭は財布から万札を叩きつけ、コルク銃を構えた。徹なビジネスマンの射撃の腕は完璧だった。
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パン、パン、パンと乾いた音が響くたび、くれた極のが正確に破裂していく。
「おいおい、兄ちゃんプロかよ!」主が鳴をげる、晏蕭は見事に発全弾を命させ、青緑のウサギのぬいぐるみを勝ち取った。
「ほら、持っていろ」
誇らしげに差しす晏蕭に対し、兮兮はそのウサギを抱きしめながら、棚に残されたピンクのウサギをじっと見つめた。
「おじさん、あっちのピンクの子も欲しい」
「あぁ? うちはに特等を取った客はもう遊べないルールなんだよ」主が慌てて断る。
「じゃあ、兮兮が自分でやる!」
「はぁ? こんなちびっ子に当たるわけ——」
兮兮は踏み台代わりの子によじ登ると、さなでコルク銃を握り直した。その構え、線の据え方、呼吸のえ方は、教の武術を極めた達そのものだった。
パスン! パスン! パスン!
さなから放たれたコルク弾は、の抵抗を計算し尽くしたような美しい弾を描き、次々とを撃ち抜いていった。
「な、なんだこのガキは!? 魔法使いか!?」
発、発、発——。
主が泡を吹いて倒れそうになる、兮兮は見事にピンクのウサギもに入れた。
つのきなぬいぐるみを両に抱え、満面の笑みを浮かべる兮兮。
「やったぁ! これで寂しくないね!」
晏蕭はその姿を見つめながら、サングラスの奥で元を微かに緩めた。
億の商談を成させたよりも、このさな娘が笑った瞬のほうが、遥かにを満たしてくれることを、彼は認めざるを得なかった。