みかん小説
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"死んだ母を名乗る女" 第9話

暴かれた根裏の巣穴

タクシーが実のに滑り込んだ、そこには事の煙など筋も漂っていなかった。 消防のサイレンも、野次馬の姿もない。 あるのは、の穏やかな陽に包まれた、いつもの静まり返った造だけだった。

玄関のには、息を切らしてち尽くす千恵子叔母と、スーツのネクタイを乱した川島が、呆然と辺りを見回していた。 「な……何よ、これ……事なんて、起きてないじゃない……!」

「ええ、起きていませんよ」 私がタクシーからり、ゆっくりとのへ歩み寄ると、叔母は鬼のような形相で掴みかかってきた。

「あんた……騙したのね!? 何の真似よ、ふざけるんじゃないわよ!!」

バシィッ!

私は叔母の首をく払い落とした。 その徹なに気圧され、叔母はわず、歩ずさりした。 「ふざけているのは、どちらですか? 叔母さん、どうして事だと聞いただけで、そんなに血相を変えてんできたんですか? あなたがんでもいない、ただのき姉の空きなのに」

「そ……それは……姉さんの事なが配だったからに決まってるでしょ!」

「まだ嘘をつくのね」 私はポケットからスマートフォンを取りし、画面をタップして叔母の目のに突きつけた。 「じゃあ、これは何ですか?」

画面に再されたのは、昨の夕方、階のに設置した隠しカメラの映像だった。

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誰もいない静寂の部の、袋の襖がゆっくりとき、からいしてきたヨレヨレのスウェット姿の叔母。 畳のにりち、母の遺品通帳を掲げて卑た笑みを浮かべるその姿が、解像度のフルカラー画として、音声付きで鮮に再された。

『くあの現留が届かないかしらねえ。……んだ姉さんの名を使って引きすは、本当に最だわ』

画面から流れる自らの肉声を聞いた瞬、叔母の顔面は、気を通り越して真っに変した。 「ひっ……! な、何よこれ……盗撮したの!? 犯罪よ、警察を呼ぶわよ!!」

「呼べばいいじゃないですか」 私の背から、静かでな声が響いた。 振り返ると、いつのにか扉のに、制姿の配達員・池田義親が、腕を組んでっていた。 そして、その隣には――もう、仕ての良いスーツにを包んだ、威厳のある髪交じりの紳士が、厳しい差しで佇んでいたのだ。

「け、警察……?」 叔母が怯えたように退る。 私は叔母と、隣で完全に固まっている川島に向かって、歩踏み込んだ。

「建造物侵入罪、ならびに者の氏名を冒用した私文偽造、そして詐欺罪。……叔母さん、あなたがこの根裏に潜み、母のを隠蔽して貪りってきた悪事のすべてを、今ここで完全に暴いてあげます」

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