"母との同居後、妻が倒れた――医師が私だけ呼んだ理由" 第3話
にいるの仕事
末がづくと、美は朝から経費精算の照作業に取りかかった。各部署から届く領収と入力データを件ずつ確認し、数字がわなければ原因を調べる。彼女が「今は集しないと終わらない」と言っていたことを、私は帰宅するまで忘れていた。
から聞いた話では、そのの午だけで美は回も席をっていた。母の老鏡を探し、届いた宅配を蔵庫へ入れ、かなくなったリモコンの池を替え、薬局からの話にて、母の血圧を記録した。どれもつひとつは数分の用事だが、数字の照は断するたびにのから確認し直さなければならなかった。
昼には母の事を用した。母には循環器の持病があり、塩分を控えるよう医師から言われていた。美はをくするだけでなく、調料を計量し、宅配とならない献を考えていた。母が「私の分だけ別にしなくていい」と言うと、美は「の健康にもいいから」と笑ったという。
午、美は会社の担当者から「まだ確認が終わっていませんか」と連絡を受けた。彼女は「今に必ず」と答え、夕の買い物を取りやめた。凍庫の肉を解凍しながら仕事を続け、午にパソコンを閉じると、今度は台所にった。
夜、私が帰ると噌汁の匂いがした。
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母はテレビを見ていて、美は器を並べていた。「今も仕事は予定通り?」と尋ねると、美は「なんとかね」と答えた。私は「やっぱり美は領がいい」と褒め、その言葉で彼女が報われるとっていた。
事の途、母が「今、何度も美さんの仕事を止めちゃったわ」と言った。私は「族なんだから助けいだよ」と答えたが、母は箸を置いた。「助けてもらっているのは私ばかりよ。は何をしたの」。私は冗談めかして「で稼いでる」と返し、母は笑わなかった。
美は慌てて話題を変えた。会社で監査がづいていること、来は忙しくなること、蔵庫のをもう度き直したいことを話した。私は「分かった、今度の休みにやろう」と言い、その休みには取引先のゴルフへかけた。
、美は婦科の検診から帰った夜、卓で「の卵巣にし気になるものがあるみたい」と話していた。私は驚いて「丈夫なのか」と尋ねたが、彼女が「今は悪いものと決まったわけじゃない。かにもう度診てもらう」と言うと、したくて「なら配しすぎない方がいい」と話を終えた。
そのかに父が倒れ、私の関は父のと母の暮らしへ移った。美は葬儀の配も親戚への連絡も伝い、自分の通院についてはほとんど話さなくなった。それでも彼女は指示された経過観察を続けていた。
になって診察券の裏の予約シールを見て、私はそのことをった。
そのころ、美は診察の説を透なファイルに入れて保管していた。私は度だけ、卓の端に置かれたそのファイルを見たことがある。「次回検査」の文字が見えたが、くことはしなかった。妻の医療報を勝に読む必はない。しかし、本に「配していることはある?」と聞くことならできたはずだ。私はファイルを端へ寄せ、仕事の資料を広げてしまった。
私は何もらされなかったのではない。最初の説を聞き、次の診察が必だとっていた。それなのに、自分から「次はいつなの」と尋ねたことがなかった。