"車椅子の妻を離島に置き去り――船上の夫が見たもの" 第13話
らない女性の証言
瀬戸由梨さんと会ったのは、枝先の事務所だった。彼女は代半に見える女性で、な紺の着を着ていた。私を見るなりくをげ、「ご本に確認しないまま話がんでしまい、申し訳ありません」と言った。私は謝罪より先に、夫から何を聞いていたのかりたかった。
「ご主は、奥様が事故のあとと話すのを怖がり、銭の管理もできなくなったと説していました」。瀬戸さんは鞄から相談記録の写しをした。「最初は期入居の相談でした。でも途から、奥様の賠償をどう管理すればいいかという質問ばかりになったんです」。彼女は審にい、本確認を求めたという。
啓介はそのたびに「妻は混乱するから話しないでほしい」と断った。瀬戸さんは申込保留を勧め、正式な契約には本の確認が必だと説した。ところが夫は、私の署名が入った相談票を郵送してきた。瀬戸さんは跡の真偽を判断できず、話で本確認する予定をてた。その直、私から連絡が来たのだ。
「では、あの類の『本同確認済み』という欄は、誰がいたんですか」
「ご主が記入したものです。私たちの確認印はありません」。瀬戸さんは自分の会社の原本を示した。そこには「本未確認」と赤い字でかれている。
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夫がに置いていた写しでは、その部分が切り取られていた。私は初めて、同じ類につの顔があることをった。私のに置かれたのは、夫に都よく加されたものだった。
瀬戸さんの名が「族同等の連絡先」にかれていた理由も分かった。夫は彼女の名刺を勝に転記し、「親族に代わる支援者」として利用しようとしていた。瀬戸さん自はそんな役割を引き受けていない。私は夫が若い女性と親密になったのではないかと瞬疑った自分を恥ずかしくった。問題は男女関係ではなく、私のを勝に代弁するを作ろうとしていたことだった。
「つだけ、ずっと気になっていることがあります」。瀬戸さんは声を落とした。「ご主は島へくの週、『妻がになりたがっていて、先で取り乱すかもしれない』と話していました。もしそうなったら、施設入居の必性を説する材料になるか、と聞かれたんです」。私は膝のでを握った。啓介は旅先で私がどうなるか、もって像していたのだ。
瀬戸さんは「先で混乱したからといって、本の決定能力を判断することはできない」と答えたという。その、夫から連絡が途絶えた。彼女が曜の面談に本が席するのか尋ねたのは、最まで私のを確認したかったからだった。
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私はので見た通をいした。あのい文は、夫への協力ではなく確認の求だった。
枝先は瀬戸さんへ、相談記録を会社の続きに従って保するよう頼んだ。必な範囲で、警察や裁判所から正式な照会があれば対応してもらう。瀬戸さんは頷き、「会社にも報告します。私がっていることは隠しません」と言った。私は彼女を見送りながら、夫が誰かを完全に方につけたわけではなかったことに気づいた。
そのの午、枝先と緒にへった。私は窓で本確認を受け、ログイン方法を変更し、振込限度額を見直した。夫がっている暗証番号は使わず、古い端末からの利用も止する。担当者は「配偶者の方でも、ご本のに反して座を操作することはできません」と説した。私が自分の名で依頼すると、続きはつずつんだ。
帰り、姉が「これでしね」と言った。私は頷いたが、黒いファイルの「百万円」と「百万円」がかられなかった。夫が何に追い詰められていたのかをらなければ、また別の方法でづいてくるかもしれない。枝先からの連絡が入ったのは、その夜だった。夫の共同座からの先について、確認したいことがあるという。