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"車椅子の妻を離島に置き去り――船上の夫が見たもの" 第11話

本で待っていた

翌朝の連絡は、のより乗客がかった。島田さんが員に事を説してくれたため、私は乗から客まで全に移できた。窓のに島がざかると、あの展望台のい壁がさく見えた。夫と緒に来たときには、島から戻るだけでこんなにいが必になるとはわなかった。

本の港には姉と川さん、そしての警察官が待っていた。子は私の顔を見た途端、何度も「よかった」と繰り返した。私は姉の肩にを置き、「怖かった。でも、もう丈夫」と答えた。川さんはの装具を見て「無理はしていませんか」と尋ねた。私は位のがかったこと、子で全な所へ戻ったことを伝えた。

警察官は私の体調を優先し、そのでは最限の事だけを聞いた。夫が持ちった話と財布、島の形、の予約記録、港で助けを求めた経緯。私は姉に預けていた写真と、端末の救助請履歴を示した。担当者は「保護が必な状態の方を危険な所へ残した為について、事を確認します」と説した。どんな罪に当たるかは捜査で判断されるという。

私は「夫に会わずに帰ることはできますか」と尋ねた。警察官は頷き、今の全について相談できる窓を案内してくれた。姉のへくに、病院で体調を確認することにもなった。

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私は夫に直接連絡しないと決め、姉にも居所を教えないよう頼んだ。事故、初めて自分の帰る所を自分で選んだ。

病院で診察を受けると、医師は今回の負担で回復が戻りしていないか慎に確認した。位の練習はしばらくくし、の傷が治るまでは移の方法を夫する。私は「てたから、もう子はいらないと言われるのが怖い」と打ちけた。医師は「てることと、常活を歩いて送れることは違います」と確に答えた。

「あなたの障害の程度は、今回の来事で突然消えたわけではありません。回復がむことはばしいことですし、必な支援を受ける権利も変わりません」。私はその説を診療記録に残してもらった。夫が私のつ姿を見て、どんな言い訳をするか像がついたからだ。私を騙したと言い、世話を押し付けられたと主張するだろう。

姉のへ着くと、子は階のを片づけてくれていた。敷居には簡易スロープが置かれ、い机のにと薬が並んでいる。の仕事で忙しいはずなのに、私のために何度も寸法を測ったのだという。私は「迷惑をかけてごめん」と言いかけ、途でを閉じた。姉はそれに気づき、「ありがとうでいいのよ」と笑った。

その夜、姉の話が鳴った。相は啓介だった。

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子はスピーカーにせず、しれたところで応対した。「千紗はどこだ。島から戻ったなら、へ帰るように言ってくれ」。姉は「本ので全な所にいます。今は代理を通してください」とだけ答えた。話を切ると、姉は私を見て「本当に、あのは何も分かっていない」と呟いた。

翌、私は事故の賠償続きで相談したことのある枝奈緒弁護士へ連絡した。枝先は事を聞くと、座の保護、まいの確保、夫との連絡方法をつずつ理してくれた。「きな決断は、あなたの体が落ち着いてからで構いません。でも証拠は今のうちに残しましょう」。その言葉に、私はようやく先のことを考えられるようになった。

相談を終える直、枝先は「ご主は、あなたの財産を管理するための類を作っていた能性があります」と言った。私は相談票の偽の署名を見せた。先はじっと画面を見つめ、「ほかにも似た類がないか、あなたの同を得て確認したい」と答えた。私のの斎には、啓介がいつも鍵をかけている引きしがあった。

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