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"車椅子の妻を離島に置き去り――船上の夫が見たもの" 第4話

誰が私のを決めたのか

相談票の発元は「青葉活支援センター」という民事業者だった。私はまず、記載された番号が本当にその会社のものか調べた。会社の公式サイトにある話番号と致する。担当者名には「瀬戸由梨」とあった。らない女性だが、事相談票には夫が私の同を得たと記されていた。

話の職員は、私が利用予定者本だと告げると、戸惑った声をした。「ご主から、ご本はい話での疎通が難しいと伺っております」。私は落ち着いて、普通に会話ができること、入居を申し込んだ覚えがないことを伝えた。職員は担当者に確認して折り返すと言い、個報をそれ以話すことはなかった。

そのの夕方、瀬戸由梨から連絡が来た。若いが、言葉を選ぶ慎な話し方だった。「ご本が申し込みをらないということでしたら、続きをめることはできません。お話でのご説だけでなく、面で確認させてください」。私は自分ので入居するつもりがないと伝え、相談票の訂正を求めた。瀬戸はすぐに承諾した。

「つ、確認させてください。ご主は、ご本の判断力が事故にしたとお話しでした。医師からそのような説を受けたことはありますか」

「ありません。の神経を傷めましたが、のけがはしていません」

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話の向こうで、をめくる音がした。瀬戸は「分かりました」とだけ答えたが、その声は先ほどよりかった。私が話を切ると、ほどなくしてセンターから申込保留の通が届いた。そこには「本確認未のため続き止」と記されている。さなことでも、自分でけば変えられるのだとえた。

私は姉に話し、相談票の写真とのログイン通を送った。子はすぐに来ると言ったが、私は今夜は丈夫だと答えた。啓介を問い詰めれば、何を隠しているか分からないまま類を処分されるかもしれない。まずは確かめた事実を増やしたかった。姉は「じゃあ、毎晩に連絡して。返事がなければ私から話する」と約束してくれた。

翌、川さんにも事を話した。彼女は夫を非難する言葉を急いでにせず、病院の医療ソーシャルワーカーへつないでくれた。相談で私は初めて、夫がを管理しようとしていること、らない施設へ申し込みをしていたこと、旅先が子に向きな島であることを続けて話した。言葉にすると、別々のだとっていた来事が本につながって見えた。

相談員は「旅を断ることもできます。ご主がるからく、という状況なら、それ自体を考え直していいんです」と言った。私は頷いた。

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きたいかと聞かれれば、今の私はきたくない。けれど断った、啓介がどんなにるか分からないことも怖かった。姉のに移る案を話しい、必な福祉サービスの窓も教えてもらった。

帰宅すると、啓介は旅用の鞄を玄関に置いていた。私の返事を待たずに支度をめている。「島の展望台、いい景らしいぞ」。私は「体調がよくなければけないかもしれない」と言ってみた。啓介は靴紐を結ぶを止め、「せっかく休みを取ったんだ。今さら困る」とい声で答えた。そのままづいてきて、私の子の取っを握った。

「お、俺に逆らえるだとってるのか」

私は背が張るのをじた。それでも「体のことは私が決める」と言った。啓介は瞬、私を睨んだあとをし、何事もなかったように「じゃあ、当の朝に決めよう」と笑った。その笑顔のほうが、鳴り声よりずっと気だった。

夜、姉に連絡を入れた。子は私の声を聞くと「、迎えにこうか」と言った。私はしばらく考え、「お願いするかもしれない。そのにつ、確かめたい類がある」と答えた。相談票の裏面を撮った写真に、入居希望が記されていたのだ。島へく曜の、わずか。しかも「本同確認済み」の欄には、私が度もいたことのない署名があった。

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