みかん小説
本棚

"一年後の請求書" 第7話

常連客の万円と『コスパ』の罠

「誤りだらけだろッ! 全部だよ、全部!」 は顔を真っ赤にして喚き散らした。 「百歩譲って気代の超過があるとしても、で百万なんて常識れだ! 公序良俗に反して無効だ! こんなボッタクリ契約、誰が認めるかよ!」

「常識れ、ですか」 俺が苦笑いを浮かべたその、カウンターの端でコーヒーをんでいた配の男性が、静かにカップを置いた。 所で輸入雑貨を営む常連の佐々さん(歳)だった。 「おいおい、ボウズ。常識れなのは、おのカフェの使い方の方じゃないのかね?」

「ああん!? 野のジジイはすっこんでろよ!」 がを剥くが、佐々さんは眉つかさず、ポケットから枚の領収を取りしてカウンターに置いた。 「実はね、マスター。私も、まったく同じ『プレミアムブース契約』を結ばせてもらったんだよ」

「……え?」 の声がピタリと止まった。

「佐々さんも本、利用料のご精算をさせていただきました」 俺はレジの控えを提示した。 「佐々さんののお支払い総額は、【ジャスト万円】です」

「は……? じゅ……万……!?」 の顎がれんばかりにがった。 「な、なんでだよ!? 俺と倍以も違うじゃねえか! 同じ契約なんだろ!? なんで俺だけ百万で、このジジイは万なんだよ! 公平だろ!!」

広告

佐々さんが呆れたようにを鳴らした。 「私はね、毎午にほどち寄り、ノートパソコンでメールを数通返して、美しい珈琲を杯いただいて帰るんだ。百ほど利用させてもらっているから、万円を百で割ると……あたり、わずか百円だよ。おの好きな『コスパ最』じゃないかね?」

「さ、百円……!?」 「そうです」俺は細の免除規定をトントンと叩いた。 「このプランは、常識な利用者にとっては破格のサービスなんですよ。『以内の利用、または追加ドリンクの注文で、超過気代および席維持費は全額免除』と規約にしっかりいてあります。佐々さんはルールを守ってエレガントに利用されたから万円。方の向さんは、常識を遥かに逸脱した寄為を続けたから、そのいに見った百万円になった。……それだけのことですよ」

「ぐっ……うう……!」 は言葉に詰まり、喉をヒューヒューと鳴らした。 自分が『神プラン』だと躍りしてびついた契約の正体は、常識にはく、自分のような悪質なフリーライダーだけを確実に絞め殺す、完璧なネズミ捕りだったのだ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: