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"時給1111円で高齢者5人を雇った結果" 第8話

が守っていたもの

警察には、防犯映像とこれまでの記録をまとめて相談した。

「今の段階では、同じ物が繰り返している能性があるので、何かあったらすぐ連絡してください」

警察官はそう言い、映像のコピーを持ち帰った。

俺は悔しかった。

商売で競争するなら分かる。

売りでも、メニューでも、広告でもいい。

しかし客や従業員を巻き込む嫌がらせは違う。

「申し訳ないです」

俺が言うと、が斉にこちらを見た。

「何が?」

桃子さんが聞いた。

「皆さんを雇ったせいで、変なことに巻き込んでしまった」

黒田さんがで笑った。

「逆だろ」

「え?」

「わしらが来てからが忙しくなったんだ。なら緒に困るのも仕事のうちだ」

梅原さんも頷く。

「、私たちをお客さま扱いしすぎ」

「いや、従業員ですけど」

「だったら守られてばかりじゃなく、守る側でもいいでしょう?」

胸が詰まった。

俺は最初、を雇うことを「助けること」だとっていた。

仕事を失った齢者を、料はいけれど拾ってあげる。

どこかにそんな気持ちがあったのかもしれない。

今となっては逆だった。

助けられているのは俺だった。

が来るの俺は、を守ることで精杯だった。

客数が減れば値段を考え、しいができれば怯え、コミがつ悪ければ晩眠れなくなる。

しかしは違った。

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黒田さんは「今は炒飯を皿く売る」と鍋を振る。

梅原さんは餃子の皮を枚ずつ伸ばす。

桃子さんは客の名を覚える。

桜さんは町のをる。

青さんは数字を見る。

自分にできることだけを、黙々と増やしていた。

その積みねがをくしている。

数、嫌がらせが止んだ。

代わりに、にしい変化が起きた。

常連のが、のSNSを伝いたいと言ってきたのだ。

「、投稿すぎますよ」

「そんなに?」

「ラーメンの写真に『今も営業です』しかいてないじゃないですか」

桃子さんが笑いした。

は、の常をい画にした。

《73歳、庫管理がガチすぎる》

《元製鉄所71歳の鍋振り》

《69歳、餃子50個を何分で包める?》

それがまた広がった。

「」

青さんが言う。

「宣伝ってのは、若いもんに任せりゃいい」

「そうですね」

「わしらがSNS覚える必はない」

瞬、俺は驚いた。

青さんは笑った。

「覚えられんってじゃないぞ。得ながおるなら任せればいいってことだ」

ハイパーラーメンは、全員を同じシステムへわせようとした。

俺たちは逆だった。

にわせて仕事を作っていた。

その違いが、ににきくなっていった。

そしてある晩。

閉際に塩田がでやって来た。

以のような余裕はなかった。

「皆さんに、話があります」

線の先には、がいた。

「ハイパーラーメンに戻ってきませんか」

内が静まり返った。

さらに塩田は、俺には到底せない額をにした。

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