"時給1111円で高齢者5人を雇った結果" 第7話
件の
「件?」
俺は注文票を数え直した。
違いではない。
いつもはに件、くても件程度だ。それがの正午だけで件。しかも丁目、丁目、丁目、川向こうまで、図に散らしたように所がばらばらだった。
「断りますか?」
俺が尋ねると、桜さんが腕を組んだ。
「料理を本当にべたい客なら、できる限り届けたいな」
「でもじゃ無理ですよ」
「ならな」
翌。
注文された件分の料理が厨に並んだ。
桜さんが件を担当。
そこへ常連のさんがを挙げた。
「丁目なら帰りだから、件持っていこうか?」
「いや、お客さんにそんなこと――」
「毎週べに来てんだ。それくらい伝わせてくれ」
さらに百の主が言った。
「俺、午の配達で丁目通るぞ」
所のクリーニングの女性まで、
「川向こうは私がけるよ」
と言い始めた。
俺は戸惑った。
客に料理を配達させるなんて聞いたことがない。
そこで桜さんが提案した。
「じゃあ、俺が全部いったんに積む。途で信頼できるに渡す分だけ分けよう。代はで先払いになってるやつだけにする」
責任の所が曖昧にならないよう、届け先へ連絡して承を取り、保温バッグも用した。
結果。
件すべてが予定内に届いた。
午過ぎ、桜さんが戻ってきた。
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「どうでした?」
「変だった」
「何がです?」
「注文したのに、ラーメンなんか頼んでないって言ったが軒あった」
俺は眉をひそめた。
話番号を確認すると、注文に伝えられた番号は使われていない番号だった。
誰かがの所を勝に使った能性がある。
さらに、そのの夜。
コミサイトに、
《を頼んだのに以遅れた》
という投稿がされた。
所はかれていない。
だが俺たちは件すべての到着刻を記録していた。
「やっぱり、最初から評価を落とすつもりだったのか」
俺が呟くと、青さんが黙って注文票を並べた。
「この件、話したが妙に規則だ」
分。
分。
分。
ほぼ分隔。
「で順番に話したみたいですね」
「それだけじゃない」
青さんは枚を指した。
「この話。ろで内放送が聞こえた」
防犯のため録音していた注文話を聞き直す。
確かに、さな音が入っていた。
《スタッフの皆さん、からミーティングを――》
どこかの内放送らしい。
桜さんが首を傾げた。
「聞いたことあるな、この音」
桃子さんの顔が変わった。
「ハイパーラーメンよ」
全員が黙った。
俺はすぐに決めつけるつもりはなかった。
「証拠としてはいです。向こうのにいた客が話した能性もある」
「そうだな」
青さんも頷いた。
「だから今は保だけしとけ」
俺たちはそれ以かなかった。
それが相を苛たせたのかもしれない。
。
の裏に、黒いゴミ袋がつ置かれていた。
はごみだった。
翌も同じだった。
そして目。
防犯カメラに、の若い男が映った。
子をく被っていたが、俺は見覚えがあった。
先、の列で騒ぎを起こした男だった。