"時給1111円で高齢者5人を雇った結果" 第3話
元が見つけた無駄
青さんが作ったには、醤油、噌、麺、餃子、チャーシュー、卵といった材の名が並び、その横に仕入れ量と使用量、廃棄量がき込まれていた。
「昨見させてもらった」
青さんは老鏡をげた。
「麺はめに仕入れすぎ。逆に卵はぎりぎりすぎる。チャーシューは仕込みの量が曜とっとらん。蔵庫の配置も悪い」
「でそこまで分かったんですか?」
「じゃ部品個りんだけでラインが止まる。逆に余らせすぎればが寝る。ラーメンも同じだろ」
言われてみれば、その通りだった。
俺は売りげが悪くなるたび、「もっと客を呼ばなきゃ」としか考えていなかった。しかし実際には、客が来ないに量に仕込んだチャーシューを廃棄し、忙しい曜に限って玉が切れるようなことを何度も繰り返していた。
青さんは曜ごとの売れ方を表にした。
さらに調料の置きまで変え、よく使うものをへ、使用頻度がいものを奥へ移した。厨内を歩く距がくなっただけで、杯作るが秒く縮まった。
「秒なんて、したことないでしょう」
俺が言うと、青さんは首を振った。
「杯秒でも百杯なら千秒。分以だ」
何も言い返せなかった。
そのの午、話での注文が件入った。
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以なら件ずつ届けていたが、桜さんが所を聞くと図も見ずに言った。
「丁目のさん、丁目の田さん、丁目の診療所だろ? 回で回れる」
「方向ばらばらじゃないですか?」
「表通りならな」
桜さんはに簡単な図を描いた。
「この細を抜けて川沿いへれば、分は縮む。タクシーをやっとったんだ。この町でらんの方がないよ」
実際、件を届け終えた桜さんは、俺の予より分もく戻ってきた。
しかも帰りに、空になりかけていた醤油を問から受け取ってきたという。
「どうせ通るだったから」
本は何でもないことのように言った。
その夜、売りげを確認すると、客数は週同曜より増えていた。材の廃棄は半分以。さらに黒田さんの炒飯と梅原さんの作り餃子を試験にしたところ、ラーメンだけだった客の半数くがどちらかを追加していた。
客単価までがっている。
「なんだ、これ……」
俺が帳簿を眺めていると、桃子さんが湯呑みを置いた。
「」
「はい?」
「で全部やろうとしてたでしょう」
図だった。
「父さんからを継いだから、俺が全部できなきゃいけないとってました」
「学の先も同じよ。先で子どもを育てるんじゃない。得な子が得なことをして、苦な子を誰かが支えるの」
俺は苦笑した。
「歳になってまで、先なんですね」
「癖は抜けないわよ」
週。
昼の、俺はまれて初めての入に「々お待ちください」の札をした。
にはの客が並んでいた。
それを見て、所の百のおばちゃんが笑った。
「ちゃん。最、が変わったね」
俺自が番そうっていた。
変わったのは料理だけではない。
が来てから、に声が増えた。
笑い声が増えた。
そして翌週。
台の黒いが、の向かい側にまった。
運転席からこちらを見ていたのは、ハイパーラーメンの塩田だった。