みかん小説
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"葬儀3日後、姑に追放された私に亡き夫からの連絡" 第10話

帰還の号砲

午。 は完全にがり、の澄み切った青空が広がっていた。 しかし、吹き抜けるは肌を刺すようにたい。

佐藤の広な軒のに、台のパトカーと、恵子の運転する普通が静かにした。 からりったのは、私、恵子、喪を纏ったさん、そして名の警察官。 そして――松葉杖をつき、痛々しい包帯を巻きながらも、自らのでアスファルトを踏みしめる直だった。

病院の医師はをく反対したが、直が「自分の族の命運がかかっている」と座同然で許をもぎ取ったのだ。 直の瞳には、かつての優柔断なは微もなかった。 父親として、夫として、己の過ちを清算するための、燃えるような決が宿っていた。

入れのき届いた本庭園を抜け、私たちは玄関のインターホンのにった。 表札には、威堂々と『佐藤』の文字が掲げられている。 、私が事と介護に追われ、息を潜めて暮らしてきた、あの呪われた館。

ピンポーン。

呼びし音が静寂な宅に響き渡った。 数秒、からバタバタとスリッパの慌ただしい音がづいてくるのが聞こえた。 ガチャリと鍵がく音。 そして、内側からドアが勢いよくけ放たれた。

「まったく、保険会社のかしら!? 午に来るって言ってたのに、気がいわねえ――」

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派なエンジのカーディガンを羽織り、満面の笑みを浮かべた数枝が顔をした。 には、保険会社から送られてきた請求類の束と、印鑑ケースが握られている。 しかし、その品な笑みは、玄関のにつ私たちの姿を捉えた瞬、まるで凍りついたようにピキリと固まった。

数枝の線が、まず先につ私を捉え、侮蔑に歪んだ。 「な……何よ、美さん! どの面げて戻ってきたの!? ここはもうあんたのじゃないって――」

だが、数枝の声は、私の隣につ物の顔を認めた瞬、喉の奥でヒュッと引き裂かれた。 松葉杖をつき、額に傷を作りながら、仁王ちして自分を見ろす男。

「……な……」 数枝の顎がガクガクとれそうに震え、にした印鑑ケースがのにカランと音をてて落ちた。

「な……直……? な、なんで……なんであんたが……そこにいるのよ……!?」

息子の還をぶ母の声ではなかった。 獄の底からいがってきた霊をにした、絶対な恐怖と絶望の鳴だった。

直は松葉杖を段く突きし、氷のようにたい声で、自らの母親に告げた。

「ただいま、母さん。……俺の葬式代と保険の計算は、もう終わったかい?」

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