"正月、娘に熱汁を浴びせた義兄へ110番" 第3話
『美奈、よく聞け。で相を鳴りつけるな。俺の肩きを使って相を脅そうとするな。……今すぐ、百番通報をしろ』
「警察に……通報?」
『そうだ。現の所轄警察署に正規の事件として通報を入れろ。公な捜査員を現に臨させ、公文として客観な実況見分調を作らせるんだ。器の落ちていた位置、割れたガラスの散状況、居のの配置、すべてを警察ので記録させろ。……現の物は、つたりとも触るな』
兄の言葉が、私ののを瞬にしてらしてくれた。 りに任せて義兄を罵倒しても、義実は「庭内の粗相」「慮の事故」として処理し、内の馴れいで握りつぶすだろう。 それを防ぐ唯の段は、部の公権力を正式に招き入れ、徹な「事件」として記録に残すことなのだ。
『それから美奈、もうつ確認だ。……あのに、防犯カメラはあるか?』
兄のその問いに、私の線が自然とリビングの井の隅へと向かった。
「防犯カメラ……ある。リビングの井の角に」
私の呟きに、兄の声が即座に反応した。 『どこを向いている』 「卓の端と、の部。数ヶ、空き巣未遂があったとかでお義父さんが気に頼んで付けたやつ」 『よし。その録画器の源を絶対に落とさせるな。誰のも触れさせるな。……警察官が到着したら、真っ先にカメラのを告げ、任提、あるいは押収の続きを取らせろ』
「分かった」
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『美奈。結ちゃんので、同士の醜い言い争いを見せるな。「痛かったね」「痛いと言っていいんだよ」と、それだけを伝え続けろ。おがになって声を荒げれば、相は「ヒステリックな嫁が騒ぎてている」と論点をすり替えてくるぞ。……いいな、事実だけを淡々と積みげろ』
「ありがとう、お兄ちゃん」
通話を切ると、台所の入りに、義母の幸子と義父の清(歳)が連れってっていた。 幸子は腕を組み、顔を真っ赤にして私を睨みつけていた。
「美奈さん! さっきから誰と話してるのよ! お兄さんって、あの警察署のお兄さんかい!? 内の恥を警察に言いふらして、私たちを脅す気!?」
義父の清も、にしたさな箒とちり取りを揺らしながら、眉にい皺を刻んでいた。 「美奈さん、いい加減にしなさい。子供が傷したくらいで、親戚の集まりを台無しにする気か。ほら、ガラスを片付けるからそこを退きなさい」
清が割れたガラスの破片を掃き集めようと、居の畳へとを踏みそうとした。 私は結を背に庇い、清のにちはだかった。
「触らないでください」
私の静かな、だが切の妥協を許さない声に、清の箒を持つがピタリと止まった。
「お義父さん。そのガラスも、転がった汁物の器も、警察が現を確認するまで、ミリもかさないでください」
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「なっ……警察だと!?」 清の目が丸くなった。
「今から、百番通報します。これは事故ではなく、子供に対する傷害事件の疑いがありますから」
「はあぁぁっ!? 傷害事件!?」 奥から、義兄の幸夫が酒臭い息を吐き散らしながら割り込んできた。 「おいおい、ふざけんなよ! 俺はが滑っただけだって言ってんだろ! 子供が目のでグラスを割りやがったから、びっくりしてお椀を落としちまったんだ! それを傷害事件だあ!? 親族を犯罪者扱いする気か、この恩らずの嫁が!」
幸夫の声に、結がヒッと息を呑み、私の腰のあたりにしがみついて震えた。 私は結のを優しくのひらで塞ぎ、幸夫の充血した目を真っ直ぐに見据え返した。
「が滑ったのなら、なぜ汁物の器が、テーブルの真ではなく、メートルもれた結の元に叩きつけられているのですか?」 「そ、それは……ねんだんだよ!」
「井の防犯カメラに、あなたの元のきがすべて映っていますよ」
私のその言で、座敷の空気が凍りついた。 義父の清の顔から、サーッと血の気が引いていくのが見えた。
「か……カメラ……?」 幸夫の元が引きつり、線が井の黒い型ドームへと泳いだ。
義母の幸子が慌てて清の腕を引っ張った。 「あ、あなた! あのカメラ、リビングのまで映ってるの!? 空き巣除けに玄関だけ映してるって言ってたじゃないの!」
「い、いや……広角レンズだから、部の半分くらいは……」