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"娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路" 第16話

先ほどの「で初めてした」という言葉を完全に翻し、婚を必に拒否する夫に対し。

私は、エプロンのポケットに隠し持っていたスマホを、ゆっくりと取りした。

「あなたが、これまでこの部でベラベラと喋った全てを、このスマホでばっちり録音させてもらったわ」

私は、録音止ボタンを押し、画面を夫に見せた。

倫の自も、娘のおの横領も、全部入ってる。撮れ分に確保したから、もう見苦しい言い訳は黙ってちょうだい」

私は、スマホを軽く振りながら言った。

「あとは、あなたがサインしないなら、このままこの音声データを、あなたの会社の社事部に持ってったらどうなるか」

私は、夫の最も恐れることをにした。

「コンプライアンスの厳しい今の代、あなたがどういう末を辿るか、私がいちいち言わなくても分かるわよね?」

私が、敵な笑みを浮かべてそう脅しをかけると。

さすがに事のさと、自分が完全に逃げを失ったことに気がついた夫は、全の力を抜いた。

夫は、これ以抵抗しても全く無駄だと悟ったのか、い絶望の表を浮かべた。

そして、しぶしぶ、震える婚届を受け取った。

自分のも、する族も守れないけない男のくせに。

会社での自分の位や役職、世体だけは何としても守しようとする。

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エリートというちっぽけなプライドが、最まで捨てられないだけの、どこまでもれな男の末であった。

「……ペンを、貸してくれないか」

夫は、婚届の夫の記入欄にサインをする際に、顔をげず、私に力なく、かすれた声で聞いてきた。

「あら、ペンなら、あなたのお得のあのペンがあるじゃないの」

私は、テーブルのから、本のボールペンを取りげた。

「ほら、これを使いなさい」

私はそう言って、例の隠し座を作ったのロゴがはっきりと入った、あのボールペンを夫の目のに投げ渡した。

夫は、その因縁のペンを拾いげ、唇を噛み締めた。

夫は、そのペンを使って、震えるでゆっくりと、自分の名所を婚届に記入していった。

そして、すべての記入と捺印を終えると。

「……なんだ、こんなくだらないもの」

夫は、そう言って、虚しくそののロゴ入りのペンを、い切りリビングのに叩きつけるのであった。

ペンは、乾いた音をてて転がっていった。

こうして、私たちは正式に婚した。

そのの直太の向は、づてに聞いた話ではあるが、惨というか、自業自得のれなものだった。

彼は、私に対して「でこれだけした女性はいない」と豪語したに引けなくなったのだろう。

その無謀な勢いで、私との正式な婚が成した直に、会社で周囲に堂々と結婚宣言をしてしまったそうだ。

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そして、彼は束を抱えて、その部の若い女に勢のでプロポーズをしたらしい。

しかし、現実は彼がっていたような甘いものではなかった。

その女からは、「今まで司というを利用して、しつこく言い寄られて、恐怖をじて変迷惑している」と、逆に事部に訴えられてしまったらしい。

どうやら、その若い女にとって直太という男は、単に都のいい財布代わりであり、お級品欲しさに適当に利用しただけのであったようだ。

そして、彼女には、同じ社内にちゃんと同代の本命の彼氏がいるらしいということが発覚した。

社内の会議で、その残酷な事実を直接打ちけられた元夫の直太は、完全にプライドを々にされ、逆してしまったらしい。

「俺を騙したな!今まで貢いできたを、今すぐ全部返せ!」

直太は、声で鳴り散らし、彼女に掴みかかろうと暴れ回ったらしい。

しかし、周囲にいた若い男性社員たちにすぐに取り押さえられ、警察を呼ばれる事態となり、完全に警察汰になってしまったという。

そして、彼女からの被害届により、直太にはストーカー規制法に基づく、女への接禁止命令がされてしまった。

会社内での倫、銭トラブル、そして警察汰。

そのため、あんなに彼が最の砦として自分の位を守ろうとしていた、勤めげてきていた企業を、懲戒処分にい形で追われる結果となってしまったらしい。

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