みかん小説
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"帰ってきた長男に家はなかった" 第11話

という決められたかられた。

その先に、澄と正とのしい暮らしがあった。

正は々う。

父が帰ったあの。

本当に帰ってきたのは、駅からまでの数分ではなかったのかもしれない。

弟の3を認めた。

妻が待ったを理解した。

千鶴を自分の同だけで縛らないと決めた。

自分のを自分で選び直した。

父はしずつ、戦争から帰ってきたのだ。

戦争が終わるということは、昨までのが元通りになることではなかった。

失ったものは戻らない。

空になったも埋まらない。

の関係も、昔と全く同じ形には戻らない。

それでも、き残った者たちは続きをきなければならなかった。

待っていた者にも。

待てなかった者にも。

を守った弟にも。

帰ってきた兄にも。

夫を待ち続けた妻にも。

帰る所を失った女性にも。

それぞれの痛みがあり、それぞれの事があった。

だからこそ必だったのは、誰かを元の所へ無理に戻すことではなかった。

変わってしまった世界ので、互いのを認め、しい居所を作ることだった。

になると、慎太郎は々駅のくを通った。

復員したのホームは改修され、当とは違う姿になっていった。

それでも汽笛を聞くと、を止めることがあった。

正が緒にいた、父は度だけ線の方を見て言った。

「ここへ着いた、俺は帰ってきたとった」

正は父を見る。

慎太郎は静かに笑った。

「本当に帰るまでには、ずいぶんがかかったな」

正は何も言わなかった。

ただ父と並び、ざかっていく列を見送った。

煙の向こうには、もう焼け跡だけの町はなかった。

しいが建ち、が歩き、子どもたちの声が聞こえていた。

は戻らなかった。

それでも町も族も、止まらずに先へんでいた。

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