みかん小説
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"不在着信93件の朝" 第7話

みつ子はち尽くしたまま、もはや声すらなかった。

百万円。 毎のローン肩代わり千万円。 の購入援助万円。 計千万円もの、命と尊厳を削った資援助。

そのすべてを注ぎ込んだ結果返ってきた言葉が、「寄」「きがいを与えている」「黙ってを払え」という、性を根本から否定する侮辱だったのだ。

胸の奥底から、これまでじたことのないほど静かで、絶対零度の徹なが湧きがってきた。涙すらなかった。

が静かに歩み寄り、みつ子のえ切った肩にそっとを置いた。

「みつ子、もういい。階へこう」

は息子夫婦に瞥もくれず、背を向けて階段をがった。背からは「おい、逃げるのかよ!」「、ちゃんと払えよ!」というの罵声と嘲笑が追いかけてきたが、みつ子のにはもはやの音ほどにも届かなかった。

階の寝の扉を固く閉ざし、鍵をかけた瞬、正が振り返った。その瞳には、これまでに見たことがないほど確固たる、気配を帯びたが宿っていた。

「みつ子。もう、終わりだ。あいつらは、俺たちを血の通ったとして見ていない」

みつ子は暗い窓の、夜のを見つめながら、静かに、く息を吐きした。

「ええ……正さん。私も、完全に決めました」

「決めた、とは……?」

みつ子は振り返り、夫の目をまっすぐに見据えて言った。

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「『嫌なら支払いく止めてみろ』『どうせできない』と、あの子たちは言いました。だから……彼らの望み通り、本当に、完全に止めてやりましょう」

の息が止まった。しかし、すぐにその表い理解と決へと変わっていった。

「本当に、いいんだな? もう度と、元の関係には戻れないぞ」

「元より、私たちに息子などいなかったのです。あそこにいるのは、私たちのき血を吸うだけの怪物です。これ以、私たちの尊厳を差しす必ミリもありません」

「そうだな……よく言ってくれた、みつ子。俺も同じ気持ちだ。あいつらが招いた種だ、すべてあいつら自に刈り取らせよう」

みつ子の唇に、たく研ぎ澄まされた微笑が浮かんだ。

から、すべての続きを秘密裏にめます。、弁護士、ローン会社……法に完璧な順を踏んで、度とあの子たちが私たちに逃げ込めないようにします」

息子夫婦は決定な事実を見誤っていた。親が自分たちに依し、世体を気にして支払いを止められないと盲信していたのだ。

だが実は違った。みつ子たちにはまだ、退職の残百万円と、正の個百万円、計千百万円の純資産があった。そして何より、毎万円の確実な収入がある。

万円という巨額の搾取さえ断ち切れば、夫婦が贅沢で豊かな老を送るには、何自由のない経済基盤が残されていたのだ。

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番で、法律事務所へきましょう。完璧に、に、あの子たちの梯子をすために」

「ああ。徹底にやろう」

は互いのを固く握りしめ、ぶりに訪れたの静寂ので眠りについた。

翌朝、午の空がみ始めるに、みつ子は机に向かい、い便箋とノートをいた。

ペン先をらせ、これから実すべき続きのタイムラインとチェックリストを精緻にしていく。相は傲だが、追い詰められれば何をしてくるか分からない。法な隙を切与えず、論ではなく徹な続きによって完全に息の根を止める必があった。

分、みつ子と正なりをえ、内の部にある法律事務所のを叩いた。

予約していた個に通されると、債務問題と産法務を専とするベテランの女性弁護士・が迎えてくれた。

「岡崎様、本はどのようなご相談でしょうか」

みつ子は持参した分いクリアファイルをき、机の然と類を並べた。と建物の登記簿謄本、宅ローン契約の写し、過分の通帳コピー、そして両購入資の振込

「先、私たちは息子の宅ローンの連帯保証かられ、同に毎の返済替を完全に止したいと考えております」

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