みかん小説
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"不在着信93件の朝" 第6話

の質素な片付けを終えたみつ子は、え切った指先をエプロンで拭いながら、居のソファに踏ん反り返る息子夫婦へと歩み寄った。テレビ画面には華美なスタジオセットが組まれたバラエティ番組が映しされ、里はテーブルのに置かれたみかんを勝に剥いてに運んでいる。

みつ子はエプロンの端を両く握りしめ、を決していた。

志、里さん……し、事な相談があるの」

志はスマートフォンから線をげようともせず、を鳴らして気のない返事を返した。

「あ? なんだよ母さん、改まって。にしてくれよ、今ゲームのイベントなんだから」

みつ子は喉の奥に張り付くような渇きを覚えながら、言葉を絞りすように続けた。

「先から、お父さんの臓の定期検査と、私の膝の治療がなってしまってね。っていた以に医療費がかかってしまったの。それで……苦しいのだけれど、今宅ローンの引き落とし、半分でもいいからあなたたちの方で面してもらえないかしら? 来にはし落ち着くとうから……」

初老の親が、自らの健康を抱えながら、懇願するようにげたのだ。普通の倫を備えた子であれば、親の体を気遣い、これまでの負担を詫びる面であった。

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だが、その言葉が落ちた瞬里はテレビからゆっくりと顔を向け、氷のようにたく、嘲りに満ちたせせら笑いを漏らした。

「はあ? 何言ってるんですか、お母さん。急にそんなこと言われても困りますよ」

その切れの瞳には、族に対する敬など微せず、ただな障害物を排除しようとする徹な侮蔑が浮かんでいた。

「契約でしょう? 毎万円払うって約束したから、私たちはあのを建てたんですよ? 今さら『医療費が』なんて、ただの言い訳じゃないですか。払えないなら、どうするつもりなんですか?」

志もまた、鬱陶しそうに舌打ちをし、母親を激しく責めてるようにまくしてた。

「そうだよ母さん! 勝なこと言うなよ! 俺たちには俺たちの活設計があるんだよ。急に万もせるわけないだろ! 俺たちの活を破綻させる気かよ!」

「でも、志……私たちだって、毎万円のから万円を差し引かれて、残りの万円でギリギリの活をしているのよ? 病院代を削れば、お父さんの命に関わるの……」

に訴えかけるみつ子の痛な叫びを、里は甲い嘲笑で遮った。

「お母さん、いつもそうやって変って被害者面しますけど、そんなに嫌なら支払いく止めてみたらどうですかね? 志さん、そういません?」

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志は妻の言葉に面そうに肩を揺らし、品な笑い声をてて追撃した。

「そうだよな! 嫌ならやめてみろよ! どうせできないくせに、先だけで脅してんじゃねえよ!」

障りな笑いが、静まり返った居に無残に響き渡った。

みつ子のから完全に力が抜け、握りしめていた布巾がへと音もなく滑り落ちた。横でち尽くしていた夫の正の両拳が、血管が浮きるほどく握りしめられているのが見えた。

里は調子に乗り、さらに残酷な言葉のナイフを次々と突き刺してきた。

「だいたいね、お母さんたちこそ、私たちに寄してるようなものじゃないですか。息子夫婦が派なんで、毎いローンを親が支えてあげているっていう『美談』があるからこそ、退屈な老義が保ててるんでしょう? むしろ、きがいを与えてあげている私たちに謝してほしいくらいですよ」

「そうそう!」と志がを叩いて笑う。

「俺たちの活を支えることでしか、母さんたちは世と繋がれないんだろ? 俺たちがいなきゃ、孤独するだけの惨めな寄りなんだからさ。文句言わずに、黙ってだけ払ってればいいんだよ」

里が止めを刺すように、酷な笑みを浮かべて言い放った。

「もし支払いを止めてが競売にでもなったら、親戚に恥を晒すのはお母さんたちですよ? 世体が悪くなってどこにも顔をせなくなりますね。

だから、泣き言言ってないで、までにきっちり万円座に入れといてくださいね」

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