"「病院に行くな」と娘を閉じ込めた婿の本当の目的" 第1話
私は、たいが吹き抜ける窓のを見つめた。
あの、固く閉ざされた娘の部から、ひどい悪臭が漂い始めたの記憶が蘇る。
義理の息子がを空けたほんのわずかな隙を突いた。
私はこっそりと娘を背負い、全速力で救急来へとったのだ。
娘の無残な姿を見た医師は、顔を真っ青にして振り返った。
医師は、震える声で私に告げた。
「直ちに警察に通報してください」
私は、その言葉を聞いてそのにへたり込んだ。
これは、私たち族の血と涙の物語である。
私が寿命を迎え、目を閉じるその瞬まで、決して忘れることのできない残酷な劇だ。
私は、国語教師として涯をきてきた。
世のの美しさや、の優しさをから信じていた。
そんな歳の老いた母が、ついには自らので義理の息子を刑務所に送らねばならなかった。
無期懲役。
その判決を勝ち取るまでの々は、まさに獄であった。
歳で、健康で輝いていた私の娘がいた。
彼女は、わずかヶのに、価なベッドので見るもない姿に変えられてしまった。
骨が浮きるほど痩せこけ、腐りゆく肉を抱えながら、かろうじて浅い息をしているだけであった。
息も絶え絶えにあえぐ娘の姿を見た。
私のは、ズタズタに引き裂かれるような痛みに襲われた。
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それでも、私は沈黙を守り通した。
れずその部の周囲を観察し続けた。
捨てられた薬の包装を拾い集めた。
残された事のカスを、注く集めた。
悪魔の首輪を、たった度の会で完全に断ち切るためであった。
致命な撃を準備するために、私は徹な仮面を被ったのだ。
は、無なのだろうか。
いいえ、決して違う。
は、の全てを静かに見ている。
しかし、が裁きをしてくに、母たるものがまずちがらねばならない。
自らの血を分けた子を守るために、戦わねばならないのだ。
どうか、私のく苦しい話にを傾けてほしい。
私の名は、田ヨネと言う。
故郷は、伊豆のさな辺の町である。
しかし、京でほどの、教鞭をとってきた。
夫は、娘のさやかが歳のだった。
慮の事故に遭い、私と娘を残して先にってしまった。
私は、で娘を育てることになった。
介の教師の料では、決して裕福とは言えなかった。
それでも、をにして懸命に働いた。
京内に、さな古いアパートをつに入れることができた。
そして、娘に自由のない教育を受けさせた。
さやかは、昔から数のない子であった。
しかし、とても優しく、誰よりものい子に育ってくれた。
学を無事に卒業し、ある建設会社で会計士として就職を果たした。
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娘は、歳のに健という男と会った。
渡辺健。
歳で、彼は医療器輸入会社の副社を務めていた。
彼は、いつもシワつないパリッとしたシャツを着ていた。
きちんとえられた髪に、穏やかな調を持っていた。
彼は、見も態度も実に派な青であった。
私に対する態度も、非常に丁寧で礼儀正しかった。
お盆や正、私の記には、決して欠かすことなく贈り物が届いた。
彼は、癖のように私に言った。
「お母さん、もう全部私に任せてください」
彼は、優しい笑顔で続けた。
「苦労されたのですから、これからはゆっくり休むです」
私は、その言葉を信じた。
老いた未の胸に、その言葉がどれほどきな慰めとなったことだろう。
の結婚式のであった。
田舎からわざわざてきた親戚たちは、私のを代わる代わる取った。
親戚たちは、を揃えて羨ましがった。
「夫運はなくても、婿運には恵まれたわね」
私は、から謝して微笑んだ。
私も、本当に彼が良い婿だと信じ切っていたのだ。
私は、くんでいたあの古いアパートを処分することにした。
その売却資と貯をわせ、千万円を用した。
そして、世田に階建ての戸建てを購入した。
階はの悪い私が使うことにした。
階は、若い夫婦が使うという条件で、同居活を始めたのだ。
全てが、絵に描いたように平穏であった。
というのは、何も問題はなかった。
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